音楽ユニット「YOASOBI」が、結成5周年を記念した初の単独ドーム公演「超現実」の東京ドーム公演の最終日を行った。10月の京セラドーム大阪での2日間で7万人、東京の2日間では10万人の計17万人を動員。令和の音楽シーンを席巻する2人が、怪物的パワーを見せつけた。
むせかえるような熱気が東京ドームを包み込んだ。会場全体が歓声で揺れる中、コンポーザーのAyase(30)が「えぐすぎるぜ!」と会場を見渡せば、ボーカルのikura(24)は「熱気がすごいね。5万人の声ってこんなにすごいんだ。今までで一番大きい歓声が聞けてうれしい! ありがとう」と超満員の客席に呼び掛けた。
5年間の集大成を見せつけた。Ayaseは「5年前は歓声の中心に自分がいるとは思ってなかった。ようやくたどり着いた」としんみり。これまでを振り返りながら「5年だけではない。人生の全てが糧になっている。人生の集大成をこのライブに詰め込んだ」と宣言した通り、デビュー曲「夜に駆ける」や、11日配信の最新曲「New me」など、会心の25曲を惜しみなく披露した。
ドームの空間全てを使った。メインステージ、センターステージだけでなく、天井にはレーザービームで文字や模様を描いた。「HEART BEAT」「群青」「夜に駆ける」では5万人と合唱。さらには「私たちを近くに感じられるように」と気球に乗って最上階席の高さにまで上がって歌唱するなど、ドームをテーマパークに仕立て上げた。
一曲ごとに感謝を口にしたikuraは「YOASOBIは活動を続け、みんなの夢を全部乗せてYOASOBIは大きくなる。見たことない景色や新しい音楽を探したい」。Ayaseは「終わりたくなさ過ぎる…。でも、みんなのおかげで最高の景色をありがとうございました」と涙を拭った。2人にとっても、ファンにとっても、約3時間の最高の夜を駆け抜けた。(増田 寛)