◆第41回マイルCS・G1(11月17日、京都・芝1600メートル)
第41回マイルCS・G1(17日、京都)に出走を予定するブレイディヴェーグは、中距離を中心に使われ、昨年のエリザベス女王杯を制覇した実力馬。初の1600メートル戦だが、陣営は自信を見せる。「考察」担当の山本理貴記者は、前哨戦編で同馬に注目した。
「プロローグ」で外差しこそが勝利への近道と書き、富士Sのジュンブロッサムを取り上げた。しかし、もう1頭脳裏に焼き付いて離れない馬がいる。それが府中牝馬Sのブレイディヴェーグだ。
ゴーサインが出ると瞬時にギアを上げ、上がり3ハロンは32秒8。14年~23年の府中牝馬Sで上がり3ハロン32秒8以下を出したのは、すべてG1で連対している馬だった。この数字は一流馬の証だ。しかも、斤量はどの馬も背負ったことがない最重量の57キロ。圧巻のパフォーマンスだったと言える。
9ハロンからの転戦も魅力だ。01年以降、マイルへの距離短縮組は距離延長組やマイルからの転戦組を抑え勝率7・3%、連対率14・6%、複勝率21・9%ですべてトップ。近5年でも3着以内の15頭中、19年のインディチャンプと21年のグランアレグリアの勝ち馬2頭を含む8頭を占めている。府中牝馬Sからの転戦は過去10年では6頭が出走し、22年のソダシの3着が最高だが、08年にブルーメンブラットは同じローテで制している実績もある。
ブレイディヴェーグにとって、京都外回りは昨年のエリザベス女王杯で勝っているコースでもある。そして、前走で証明した追ってからのエンジンのかかりが速い瞬発力。初のマイルにも不安は全くない。(山本 理貴)