今オフのポスティングシステム利用が容認され、メジャー移籍を目指すロッテ・佐々木朗希投手(23)の争奪戦にヤンキースが加わることが11日(日本時間12日)、明らかになった。ブーン監督が明言した。ドジャースが右腕の移籍先の最有力候補と目される中、昨オフは山本由伸投手(26)を目前でさらわれ、今季は世界一を献上したライバルへの“雪辱”なるか。カブス参戦も報じられ、早くも白熱してきた。
「令和の怪物」周辺が熱を帯びてきた。来季続投が決まり、オンライン会見に応じたヤンキース・ブーン監督は朗希のことを聞かれるとハッキリと答えた。「メジャーでエース級になれる素質がある。ぜひ争奪戦に参加したい」。ロッテから今オフのポスティングシステム利用が容認された日本時間9日以降、公の場で監督が意思表示したのは初めてのことだった。
米球団による海外選手の青田買いを防ぐための「25歳ルール」が適用されるため、全30球団に獲得の機会がある大争奪戦。今季15年ぶりのリーグ優勝を果たすも、ワールドシリーズ(WS)でドジャースに敗れたヤ軍に、またとない補強になる。指揮官はサイ・ヤング賞の最終候補に選ばれた23年全米ドラフト1位・スキーンズ(パイレーツ)の名前を引き合いに「非凡な才能に恵まれ、しかも若い」と“和製スキーンズ”こと朗希を絶賛。さらに賛辞の言葉を並べた。
「(同じ高卒5年目のオフに渡米した)大谷の例もあるし、佐々木と山本(由伸)は過去数年にわたって話題になっていた。去年は山本、そして佐々木。特別な投手がメジャーに来ると認識している。支配的な活躍ができる男だと思う」
ヤンキースは昨オフ、最終候補まで残りながら山本の獲得に失敗。ド軍と43年ぶりに激突したWSではその山本に抑え込まれた。今回は世紀の対決の“場外戦”でもあり、ド軍への“雪辱”という意味でも負けられない戦いになる。
また、MLB公式サイトは今永、鈴木が所属するカブスも朗希争奪戦に参戦すると報じた。同記事によると、カ軍は17年オフに日本ハムから同システムを利用した大谷争奪戦でも売り込みをかけていたといい、日本市場の拡大は球団のテーマの一つ。来年3月18、19日に東京Dでドジャースと開幕シリーズを戦うことになるが、日本人コンビの存在で“前哨戦”を制することはできるだろうか。
◆朗希争奪戦の現状 多くの球団が候補に挙がるが、現地報道などで本命視されるのはドジャース。大谷、山本らの存在も大きいが、球団幹部らが現時点で獲得を公言してはいない。ライバルと目されるのがヤンキースや、鈴木、今永のカブス、ダルビッシュらが所属するパドレス。資金力のあるメッツなども参戦有力だ。