JRAは11月13日、調整ルーム内に通信機器(スマートフォン)を持ち込み、通信していたとして裁定委員会の議定があるまで騎乗停止となっていた永野猛蔵騎手=美浦・伊藤圭三厩舎=が、本日付で騎手免許を取り消したことを発表した。
JRAは調査を進めていたなかで、調整ルーム内に1台目を偽装して2台目を持ち込み、1年4か月間に渡り継続的にスマートフォンを使用していた事実が判明。さらに永野騎手は骨折休養期間中に親族に対して馬券予想行為を行っていたことが分かった。伊藤圭三厩舎の所属馬や自身が騎乗した馬ではなかったが、これらの調査をもとに本日の第1回裁定委員会で12か月の騎乗停止処分が決定した。
以前から美浦トレーニングセンターの赤井誠公正室長は、永野騎手から引退の意向は伝えられていたが、処分決定を本人に伝えたところ、正式に取消申請があったとした。
永野騎手の問題では、JRAが10月7日に、永野猛蔵、小林勝太の両騎手が、調整ルーム内に通信機器(スマートフォン)を持ち込み、通信していたと発表。永野騎手は東京競馬開催中の10月5日から6日にかけて、同競馬場の調整ルーム内でスマートフォンを持ち込み、使用。同件の調査の過程で、小林勝太騎手の9月27日における美浦トレセン調整ルーム内でのスマートフォン持ち込み、使用が判明した。
JRAは両件を重大な非行があったものと認め、日本中央競馬会施行規則第148条第2項に基づき裁定委員会に送付。同条第4項により24年10月8日から、裁定委員会の議定があるまで両騎手を騎乗停止としていた。
JRAでは若手騎手のスマホ不適切使用が相次いでいる。昨年5月には、当時デビュー3年目までの若手騎手6人が、30日間の騎乗停止処分が下された。また、今年5月には3年目の水沼元輝騎手にも不適切使用と偽装工作が判明し、来年2月28日までの9か月間の騎乗停止処分が科せられている。
さらに藤田菜七子元騎手は、10月9日、文春オンラインによる報道で昨年4月頃まで複数回にわたり、調整ルーム内に通信機器(スマートフォン)を持ち込んで通信していたことが発覚。同11日から騎乗停止処分を受け、同日に引退届を提出し、JRAが受理して引退となった。