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巨人・井上温大まるでアニメの主人公! 帽子飛ばしまくり 侍ジャパン連覇へ開幕1勝

スポーツ報知 2024年11月14日 5時0分

◆ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12 1次リーグB組 日本9―3オーストラリア(13日・バンテリンドーム)

 「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」の1次リーグ(L)B組が開幕し、2連覇を狙う侍ジャパンが、初戦でオーストラリアに快勝した。先発の大役を任された巨人・井上温大投手(23)は5回0/3を5安打8K、2失点の上々の内容。国際大会でのデビュー戦白星を飾った。打線は阪神・森下が3安打2打点で4番の役目を果たすなど計13安打9点で地力の差を見せつけ国際試合は2019年から26連勝。次戦は台湾に場所を移し、15日に韓国と対戦する。

 何度も帽子を飛ばしながら、井上がオーストラリア相手に役割を果たした。国際試合デビュー戦で5回0/3を5安打2失点で白星。主要国際大会での開幕戦白星は巨人で06年WBCの上原浩治以来18年ぶりとなった。8奪三振と持ち味も存分に発揮し「最高です。初回が終わるまでは緊張していて、それ以降は点を取ってもらったので楽に投げられた」と安どの表情で振り返った。

 初回は今年のMLBドラフトで全体1位指名を受けた先頭バザナに中前打を許し、その後2死三塁を招いたが、4番を内角ツーシームで空振り三振。3回2死ではバザナを今度はこの日最速の149キロ直球で空振り三振に抑えた。6回はソロと安打で降板したが、左右問わず内角を突き、スライダーなどの変化球も「高めも低めも空振りが多いと思うので、有効に投げられたのが大きい」と自己分析。「8奪三振とかで。三振取りまくりたいです」と試合前の言葉も現実に変えた。

 少年時代は憧れていた人気アニメ「MAJOR」の主人公、茂野吾郎のごとくサイズが大きい帽子をかぶって飛ばすこともあった。今回は巨人と同じ55センチのサイズを選んでいたが「一番サイズが小さいんですけど、落ちて。浅めなので、それでかなと。ピッチクロックもあるので動じました」と苦笑。それでも同作1stシーズンの主題歌で、巨人での登場曲でもあるロードオブメジャー「心絵」も球場に流れた中で吾郎ばりの躍動感だった。

 追加招集で選出された初の侍。宮崎合宿初日に井端監督から開幕投手を託す言葉を受けたが、才木ら他球団の先発の球を見るうちに「なんで俺なんだろうって思ってて…。すごいプレッシャーです」という思いも駆け巡った。さらに慣れない環境からか、合宿序盤は寝付けないことも。前日12日には右頬付近にじんましんも浮き出ていた。

 それでも宮崎では、15~16メートルの投球練習など自身のルーチンを継続し、着々と準備を進めた。宿舎では、過去のプレミア12の奪三振集を映像で見ながら気持ちも高めた。マウンドに上がると堂々とした表情。「ちゃんと意志があるボールを投げられているかな」と重圧も緊張もはねのける投球を見せた。

 井端監督は「1回を切り抜けて、変わらずいいピッチングをしてくれた」と賛辞を贈った。侍の開幕投手にふさわしい74球。「こうやって1勝できたのも自信になると思うので、次も自信を持って投げたい」。舞台を台湾へ移す15日の2戦目へ、勢いをつけバトンをつなげた。(田中 哲)

 ▼開幕戦初の先発左腕勝利 日本代表初登板先発の左腕・井上(巨)が、開幕投手(左腕初)で白星。プロ選手が出場した(99年以降)五輪、WBC、プレミア12の3大大会に、開幕投手で勝ったのは、23年WBCの大谷翔平(エンゼルス)以来、5人目、7度目(他にアマチュア選手だけ出場の五輪4大会で、4人が勝利)。巨人・上原浩治、大谷が1人で2勝しており、左腕では初めて。また、巨人投手では上原に次ぎ、井上が2人目だ。

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 緊張していたとは思うが、堂々としていた。井上の良さはご存じ、超一級品の直球だ。来ると分かっていてもバットの上を通過していく。そのキレ味がものすごい。オーストラリアのバッター陣と体格こそ全然違うが、その威力に驚いたことだろう。今年8勝した要因には対左打者への内角ツーシーム習得が大きい。初回、2死三塁。身長196センチもある相手4番から空振り三振を奪ったのがそれ。外角へのスライダーを見せつつ、シュート系で目線を変えてカウントを稼ぐ。昨年まで、左バッターへは外一辺倒だったが、内外角を使えるようになり、タテ変化のフォークはボールが消える感覚だろう。もともとコントロールもいいし、先発ピッチャーとして完成の域に入ってきた印象だ。

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