将棋・第37期竜王戦七番勝負第4局が15、16日の両日、大阪府茨木市の複合施設「おにクル」で2日制で指される。藤井聡太竜王=名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖と合わせて七冠=と挑戦者・佐々木勇気八段は14日、同所で対局場の検分を入念に行い、前夜祭に出席した。
12月3日に新しい関西将棋会館がオープンする同府高槻市の西隣にある茨木市は、同所の民話を基にした鬼のマスコットキャラクター「茨木童子」があり、フォトセッションで鬼のポーズをリクエストされた。佐々木が「藤井さんがよければ」と下駄を預けると、笑顔で応じた。
藤井は2021年の竜王戦初V以来、4連覇がかかるシリーズ。番勝負は藤井が〇●〇の2勝1敗で王手をかけたい対局となるが、鬼のように強い七冠を相手に、佐々木が先手番でどう攻略するか注目される。
同市にはハイキングも楽しめる竜王山(りゅうおうざん)という山があることから3年かけて対局を誘致したという。前夜祭で藤井は「対局場の和室は落ち着いた雰囲気でした。シリーズ中盤戦の重要な一局。多くの方に注目されるので、2日間しっかり集中して、たまに竜王山の景色を見てリラックスして、熱戦にできるよう頑張りたい」と、あいさつした。
一方、佐々木は「フォトセッションでは鬼のポーズを取っての記念撮影。楽しめました」とファンを笑わせ「私にとっては踏ん張りどころ。自分の力を出し切れるように頑張りたい」とタイスコアへの反撃を誓った。また佐々木は、第3局のおやつの「どら焼き」連続注文など、食事も熱視線を集めており「他の方から言われたんですけど、普通なら藤井さんの勝負飯が頼むものが注目されるんですが、今回は私のものが結構…。もしかしたら“連投”があるかもしれません」と話し、会場を和ませた。