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名古屋場所V争いも秋場所は4勝止まり、隆の勝は“ツラ相撲”脱却し台風の目になれるか…元大関・琴風の目

スポーツ報知 2024年11月15日 5時45分

◆大相撲九州場所 5日目(14日・福岡国際センター)

 東前頭6枚目・隆の勝が自己新となる初日から5連勝を飾った。西同4枚目・欧勝馬をはたき込み、30歳の誕生日に自ら花を添えた。豊昇龍は東前頭2枚目・若隆景を豪快な小手投げで下し、大関陣では唯一、無傷5連勝を飾った。新大関・大の里は西前頭3枚目・熱海富士を押し出し、連敗せず。琴桜も4勝目を挙げ、3大関は安泰だった。全勝は平幕の阿武剋(おうのかつ)を加えた3人となった。

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 隆の勝は7月の名古屋場所は12勝3敗で照ノ富士との優勝決定戦まで進んだが、秋場所は4勝11敗。この波のある成績を少しだけひもとくと、押し相撲が得意な力士の“ツラ(連)相撲”という現実に結びついてくる。“ツラ相撲”とは勝っている時は手が付けられないほど強いが、一度負けると連敗しやすい力士の相撲。

 今場所の隆の勝は前に出ている。押されても体勢が崩れない。リズムもある。はたき込みや引き技の多い欧勝馬との一番も前に圧力をかけていた。今場所は台風の目になる可能性は十分にあるが、1つの黒星で転げ落ちることもある。

 かつての大受さんや富士桜さんがそう。貴景勝(現・湊川親方)もその傾向にあった。隆の勝の先場所の4勝11敗はまさにその洗礼だと思う。私は50年以上、大相撲の世界にいるが、“ツラ相撲”は七不思議の一つだと思っている。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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