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「ゴルフがすごく好きだった」上田桃子、多くの仲間に囲まれ笑って泣いた…プロ生活20年にピリオド

スポーツ報知 2024年11月16日 6時0分

◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス 第2日(15日、愛媛・エリエールGC松山=6575ヤード、パー71)

 今季限りで第一線を退く、2007年賞金女王で通算17勝の上田桃子(38)=ZOZO=が通算4オーバーで予選落ちし、20年のツアープロ生活に一区切りを付けた。この日は4バーディー、3ボギーの70で意地のアンダーパー。18番グリーンでは多くの女子プロ仲間から出迎えられ、笑顔で終えた。試合後のセレモニーでは涙で声を詰まらせる場面もあった。山下美夢有(みゆう、23)=加賀電子=が65で、12アンダーの単独首位。

 グリーン脇を埋めたファンや仲間からの盛大な拍手に、気持ちがこみ上げた。18番でボギーパットを沈めた上田は帽子を取って大きく手を振った。20年のツアープロ生活の最後は笑顔だった。終盤残り数ホールからプレーを終えた選手たちもついて歩き、「まさかあんなにたくさん待ってくれているとは。びっくりとうれしさが両方」と感謝した。

 90位から巻き返しを狙った。朝は「今日で本当に最後なんだな。絶対に出し切るぞと思った」という。7番で2・5メートルを沈めて初バーディーを奪い、拳を握った。11番のバーディーまでに3つ伸ばし、笑顔も見られた。17番パー5では「いいとこ見せるぞって。イーグルを取りたかった」とピンそば6メートルに2オンさせ、バーディーを奪った。最終ホールでは応援のタオル、横断幕が掲げられ、「グリーンに上がる時は最後かという気持ちだった」と振り返った。

 試合後のセレモニーには出場したほとんどのプロが参加。似顔絵入りのTシャツを着た仲間たちに花束を渡されると、涙をこらえることができなかった。3日にSNSで今季限りで第一線から退くことを表明後、2戦連続で予選落ち。最終戦のメジャー出場の夢はかなわなかった。だが、悔いはない。「毎日、うまくなりたいと思えたのは誇れるところ。ゴルフがすごく好きだった」とかみ締めた。

 7日の会見で語った「次のステップ」の具体像はまだない。ツアー生活に一区切りとなったこの日は「明日からゴルフのことを考えない時間が来るのかな。それがないさみしさはある。ストレスフリーにはなるかと思うが、経験したことがない」と心境を明かした。

 トッププロとして常に全力で駆け抜けた20年。米国にも挑戦し、国内17勝を積み上げた。「精いっぱいうまくなろう、強くなろうと考えていた」。笑顔あり、涙あり。最後まで自分らしく、プロゴルファー上田桃子の姿を貫いた。(岩原 正幸)

 ◆上田桃子に聞く

 ―涙ぐむ後輩プロたちを見て。

 「少しは頑張ってきたところだけは、みんな見てくれていたのかな」

 ―18番グリーンに上がる時は。

 「これが最後だなという気持ちがすごく強く出た」

 ―今後描いていること。

 「女性として生きることも新たなチャレンジ。仕事だけがチャレンジではない」

 ―一番印象に残る試合。

 「07年のミズノクラシックに勝って米国に行けることになり、人生が広がった」

 ―後輩にメッセージを。

 「私は20年、気合や根性でやってきた。時代とは逆行して、最後は気持ちが大事なんじゃないかな」

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