◆ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12 1次リーグB組 日本6―3韓国(15日・台北ドーム)
一進一退の我慢比べは、主砲のひと振りで一変した。これぞ、4番。森下がこん身のガッツポーズを決めた。4―3の7回1死一塁で鄭海英の147キロを左中間へ。「つなぐことだけ考え、最高の結果になってよかった。厳しい試合になるのは分かっていた。貢献できてよかった」。侍の今大会1号で勝利をグッと引き寄せた。
「ひと振りで空気を変える」。そんな井端監督の評価と期待を見事に体現した。牧と争った4番。10日の強化試合・チェコ戦の“テスト”で2ランを放って大役を任された男は、2回先頭でも中前へのチーム初安打。最初の逆転の起点になり「本塁打は結果論。勝ちにつながる、すごくいいヒット」と胸を張った。オーストラリア戦の3安打2打点に続き、2試合で7打数5安打4打点。一気に井端ジャパンの“顔”になった。
試合前の円陣でも鼓舞。「慣れない球場ですが、しっかり連係を。声をかけあい、ベンチから一体感を」。冷静な言葉に始まり、最後に火をつけた。「この日韓戦は、すごく大切。勝ちに徹する野球を。全員で勝ちますよ!」。2度の逆転に投手陣の粘り。全員野球を最高の形で締めた。
決勝打の牧との競演も格別だ。中大の2学年先輩。「少しタイプが違う」と打撃を学ぶことは少なくとも「声のかけ方、コミュニケーションの取り方は牧さんを見て成長した」と尊敬する。大学時代、悩んだ時期に寮の部屋をノックしてくれたのも牧だった。素振りのお誘い。「わざわざ来て、一緒に振ってくれた。凝った話をしたわけではないけど。気持ちを和らげてくれた」。4年ぶりに共闘する今回も心の支え。そろって2戦連続マルチ安打&打点の主砲コンビが世界一へ導く。