2017年夏の甲子園に出場した滝川西の小野寺大樹監督(48)が、秋季空知地区予選後に退任したことが15日までに分かった。15年に就任後、北北海道大会で決勝に2度、4強に2度進出。プロ野球選手も輩出し、道内を代表する公立校として実績を積み上げてきたが、直近では22年夏を最後に道大会出場から遠ざかっていたこともあり、退任を決めた。同じく同校OBの林亨部長(45)が新監督に就任した。
母校を率いて9年。後輩にバトンを託すことを決断した。滝川西・小野寺氏は「7季連続で全道を逃した責任もありますし、僕の心の野球にも限界を感じていた。(林新監督は)僕なんかよりもずっと賢くて的確な指示が出せるので、新しい風を吹かせてほしい」と話した。
15年秋季全道大会終了後の11月に母校の監督に就任。北海道を代表する名将である故・佐藤茂富氏の下で指導に携わった鵡川での経験を生かし、今では伝統となった全力疾走を定着させた。就任後初めての夏に北北海道大会準優勝を果たすと、翌年は2年連続決勝進出で優勝。大学、社会人を経てオリックスに入団した高島泰都投手を擁して甲子園出場を果たした。
その後も北大会で19年に8強、21、22年は2年連続で4強入りと安定して上位に進出していたが、直近は地区で強豪・クラークだけでなく滝川、岩見沢西などの公立校にも敗戦。秋季大会開幕前から周囲には退任の意志を伝えていた。
今後は副部長として、林新監督、OBで教え子の藤岡康弘部長を支えていく。小野寺氏は「感性を大事にしてほしいので、やりたいような野球をやってほしい。滝川西のために、選手、後輩のために全力でサポートしたい」。立場が変わっても今まで以上の情熱で“滝西”復活に力を注いでいく。
◆小野寺 大樹(おのでら・だいき)1976年6月2日、深川市生まれ。48歳。滝川西では外野手で94年センバツに出場。卒業後は札幌学院大でプレーした。鵡川では副部長、部長として2度センバツに出場し、11年に母校の滝川西に着任。15年11月に監督に就任し、春3度、夏5度、秋4度の道大会に出場した。