静岡県出身で、阪神からドラフト5位指名を受けた日本海L富山の佐野大陽内野手(22)が15日、富山・高岡市内のホテルで入団交渉を行い、契約金3500万円、年俸700万円で仮契約を結んだ。両親と交渉に臨んだ佐野は「指名あいさつとは違う緊張感の中、改めてプロ選手になる実感が湧いてきました」と目を輝かせた。
野球好きな祖父からは「新聞の一面を飾るような活躍をしなさい」と幼い頃から言い聞かされ、祖父の意向で小学1~6年まで地元の相撲クラブに加入。「めっちゃガリガリで体も小さかった」と話すが、東海地区の大会で3位入賞。週末は午前8時から午後4時まで野球で汗を流した後、夜は相撲と猛練習をこなしてきた。「踏ん張り方や足の使い方、股関節の柔らかさなど、経験が生きている」と実感。今でも四股や股割を練習に取り入れているという。
「練習では一番、自分が下手と思って取り組み、試合では自分が一番輝いている」と言い聞かせながら、独立リーグ1年目でプロ入りを実現させた。目標の選手は阪神の元内野手、鳥谷敬氏(43)だ。「常に試合に出続け、鳥谷さんが持っている連続出場の記録(1939試合連続)は塗り替えたい」と意欲。偉大な目標を掲げて新たなスタートを切る。(中田 康博)
◆佐野 大陽(さの・たいよう)2002年2月14日、静岡県生まれ。22歳。富士宮リトルイースト、富士宮第一中、常葉大橘高では甲子園出場なし。中部大4年で全日本大学選手権に出場。24年、富山に加入。今季は打率3割3分6厘(リーグ2位)、出塁率は4割6分4厘(同1位)。50メートル走5秒9。遠投110メートル。178センチ、81キロ。右投右打。