国内FA(フリーエージェント)権を行使したソフトバンク・石川柊太投手が16日、前日に他球団として初めて交渉したオリックスへの好印象を口にしたが、あくまで全球団との交渉を終えてから来季の所属を選択するという方針を示した。
みずほペイペイでトレーニングを終えて取材に応じた渦中の右腕。前日、オリックスの岸田護新監督から、左の宮城に並ぶ「右のエースに」と熱くラブコールを送られたことを明かした。同一リーグのライバル球団は3年総額5億円以上の大型契約を準備しているが「受け身なので、より良い評価してくれるところに行くっていうのは大前提かなというのはありますね」と説明。その上で以下のように話した。
「(提示条件が)一緒だったら、もう選びようもないじゃないですか。(オリックスと)同じように誠意を持ってラブコールしてくれる球団…『右のエースで』って(岸田)監督が言ってくださったような。そういう誠意を他の球団からもいただいた時に、じゃあ何で測るのか。また別の要素だと思う」
まずは手を挙げてくれた全球団との交渉を終える。所属先の選択は「自分の中ではいろいろ見ながら」という。仮に金銭などの契約条件がほぼ同じなら、最後にカギとなるのは、やはり心に刺さる“殺し文句”―。その意味で、岸田監督の言葉を「誠意」として受け止めたようだ。
13日、昨季までのチームメートで、ともにウォーカーとのトレードで昨オフ、巨人に移籍した泉圭輔、高橋礼の両投手と会食したという。FA宣言後の残留を認めているソフトバンクだけでなく、その巨人、ヤクルト、ロッテも調査を進めている。
「いろいろ話を(した)。ジャイアンツがどうという話じゃなくて、普通の会話の中で『そういうの(FA権の行使)ができること自体、幸せですね』と言われた。改めて幸せなことだな、と感じているところです。変にネガティブに『迷っちゃいますね』とかじゃなくて、FAしたことを楽しんでいきたいというか、前向きな日々を過ごしていきたいです」
セ・パどちらが良いのかという問いには「どっちがいいとかは、そこまで重要ではないのかなっていうところですね」。次回の交渉相手は未定。石川の幸せで前向きな日々は、しばらく続きそうだ。