サッカーの全国高校選手権の東京Aブロック決勝が16日、駒沢陸上競技場で行われ、帝京が国学院久我山を2―1で下し、15年ぶりの出場を決めた。
試合の流れを引き戻す大きな同点ゴールを決めたのは、帝京のエースFW森田晃(3年)だった。0―1の前半34分。DFラインの裏へ抜け出すとGKをかわし、倒れ込みながら右足シュートをねじ込んだ。背番号10を付けるエースは「気持ちで決めました」と喜んだ。
日頃の積み重ねも実った。試合後の取材では「自分、“宇宙貯金”というものをしていて。ゴミを拾ったり、目に見えない貯金なんですけど、そういうのが大舞台に生きると中学の時に教わっていて、それが出ました。“宇宙貯金”のおかげです」と笑顔で明かし、「自分はチームで一番へたくそですけど、ああいうところで結果を残せたのは、チームのためになったかな」とうなずいた。
その後、自身の交代で入ったMF土屋裕豊が、試合終了間際の後半39分に、エリア内で倒されて獲得したPKを決めて勝ち越し。5分のアディショナルタイムに国学院久我山の猛攻を浴びたが、最後までリードを守り抜いた。「カナリア軍団」と呼ばれ、6度の優勝を誇る名門が、選手権の舞台に帰還。大舞台に向けて、森田は「このチームはすごい選手ばかりで、チームを信じている。絶対に出られると思っていたので、ホッとしていますし、全国でもやってやろうと思っています」と意気込んだ。