東京六大学野球リーグ・法大の熊谷陸内野手(1年=花巻東)が今秋リーグ戦で打率4割7分1厘をマーク。99年の歴史を誇る同リーグで、岩手県の学校出身者では初の首位打者に輝いた。昨夏の甲子園では花巻東の「2番・遊撃」として8強進出に貢献。同期のスタンフォード大・佐々木麟太郎内野手の存在も刺激に、神宮の杜で輝きを見せた。
「1年生で首位打者を取れたこと、とてもうれしいです。正直ビックリしています。うれしさと驚きが交ざっています」。熊谷は初々しい表情で語った。花巻東硬式野球部から法大への進学は史上初。春は守備で1試合に出場したのみだったが、この秋は34打数16安打5打点と爆発した。「夏の練習でたくさんバットを振り、低く強い打球を打つことを意識した。その結果」と分析した。
同リーグで1年生の首位打者は、92年春の大森篤(早大、打率5割)以来、5人目。法大では53年秋の鷲雅文以来、71年ぶり2人目だ。二塁手のベストナインに選出され、今月末から愛媛・松山で行われる侍ジャパン大学日本代表候補の強化合宿にも参加が決まった。海の向こうで奮闘する麟太郎には「『六大学で首位打者取ったぞ!』と報告したい。年末は地元で集まる機会もあるため、語り合いたい」と熊谷。花の東京で腕試し。今後も故郷へ吉報を届ける。(加藤 弘士)
◆熊谷 陸(くまがい・りく)2005年7月15日、岩手県生まれ。19歳。6歳頃から野球を始める。和賀西中時代は金ケ崎リトルシニアでプレー。花巻東では1年春からベンチ入りし、同年夏からレギュラー。法大では人間環境学部で学び、1年春にリーグ戦デビュー。秋には首位打者、二塁手のベストナイン。175センチ、68キロ。右投左打。