歌舞伎俳優の坂東玉三郎が17日、大阪市内で来年1月の大阪松竹座公演「初春お年玉公演」(1月3日~8日)と、「片岡仁左衛門 坂東玉三郎 初春特別公演」(同11日~26日)に向け、取材会を行った。
来年で5年目となる初春公演。玉三郎は「(松竹)創業130周年ということで、お正月公演を精いっぱいさせていただきます」とあいさつした。「初春お年玉公演」では、口上、地唄残月、長崎十二景を上演する。長崎十二景は明治末期から大正、昭和にかけて人気を博した画家・竹久夢二の代表作に数えられる名画とともに、唯是(ゆいぜ)震一が発表した組曲「長崎十二景」の音楽と舞踊が一体となった舞踊劇。36年ぶりの上演に「女が外国人に会って、別れていくというだけの物語ですが、十二景のそれぞれの絵に合っているようなシーンをたくさん作り、舞踊にしました」とアピールした。また、毎年口上では衣装紹介が人気だったが「今回はなしで、さっと終わります」と笑った。
19年ぶりに大阪松竹座で片岡仁左衛門と共演する特別公演では、「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり) 土手のお六 鬼門の喜兵衛」と「神田祭」を上演。「せっかく東京でやったので、大阪でも見ていただきたい」と、関西のファンを喜ばせる。仁左衛門については「11月(京都の)顔見世で大変でしょうから『七草明けてのんびりしてから来たら』と。もし来ないって言われたら、お年玉公演がずっと続くだけでした」と笑わせた。東京では即完売の人気公演。仁左衛門との関係性について「運命というか、ご縁ですね。やろうと思ってもなかなかできない」と穏やかに説明した。