日米通算4367安打を記録したイチロー氏(51)=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が16、17日の2日間、岐阜市内の偏差値71を誇る県内屈指の名門進学校で、日本最古の野球部創部140年となる岐阜を臨時指導した。後輩を思うOBからの手紙がきっかけで、創立151年目の伝統校へと足を運んだ。
同校は2023年センバツ大会の21世紀枠推薦を受け、出場はならなかったが、選手たちには甲子園が夢ではないという意識が芽生え始めている。1年生6人、2年生12人(見学で3年生が11人)との熱いひとときが展開された。キャッチボールやトスバッティング、ノックやフリー打撃の実演、走塁練習で一緒に汗を流した。
「(言うことが)何もない、って言ってもいいくらい、みんなの反応がいいなと思った。特に今日の走塁。今までのチームで、ここまであの形をスムーズにできたことはないと思う。みんなが一番。びっくりしました」とたたえた。
さらに「聞いた言葉を頭の中で整理して、自分なりに結論を出す。そういうふうに見える。ぽかんとしている選手が今までいっぱいいたけど、それがなかった。インパクトがありました」と“考える野球”を実践するナインを称賛。「甲子園を目指すけど、がんばってほしい。期待しています、でも、その先をもっと期待したいと思える。社会に出て、社会を引っ張っていく人材だろうとすごく思いました」と感想を述べた。
「僕にとってもすごく刺激が強い。高校生を見る目がみんなに会って、変わるかも、それぐらいインパクトがありました」とイチロー氏。「僕も頑張ろうと思いました、まだまだ。51歳ですからね、僕は」と言い、「じゃあ、いい報告を待っています。期待しています」と結んで、グラウンドを後にした。