今オフにメジャー挑戦するロッテの佐々木朗希投手(23)が17日、ZOZOで行われたファン感謝イベントに登場し、開会式でスピーチを行った。今月9日に球団がポスティングシステムによる挑戦を容認して以降、初の公の場。2万9101人が集まったマリンで、夢に挑む決意表明をした。
さまざまな思いが巡る中、佐々木が自らの言葉で思いを伝えた。メジャー挑戦が容認されて以降は初の公の場。イベントの開会式で、異例となるスピーチの場が設けられた。
「こんにちは。今回球団に後押ししていただき、メジャー挑戦させていただくことになりました。ファンの皆さん、5年間熱いご声援ありがとうございました。けがなどでなかなかうまくいかず、つらい時もありましたが、吉井監督、コーチ、チームメート、スタッフ、たくさんの方々に支えられ、乗り越え、頑張ることができました。これまでいただいた熱いご声援、厳しい激励も全て力に変えてアメリカで頑張ってきます。本当にありがとうございました」
時折言葉を詰まらせながらも、神妙な面持ちで丁寧に言い切った。
指揮官発案の“演出”で緊張が和らいだ。スピーチ直前には、吉井監督があいさつすると、「大事なことを忘れていました。来シーズンからマリーンズを飛び出し、高みに挑戦する選手が1人います」と切り出し、「朗希です。出てきて」とお膳立て。笑いを交えつつ話しやすい雰囲気をつくり、「挑戦する若い選手は応援したい。心から温かく送り出したい」と優しく笑った。
球団によると、同システムの申請完了は締め切りの12月15日直前となる見込みだ。申請後、MLB事務局から全30球団に契約可能選手として通知され、45日間の交渉期間がスタート。ドジャースが最有力とされているが、ヤンキース、カブスも獲得に名乗りを上げ、し烈な争奪戦は必至だ。
紅白戦ならぬ「マリーンズ白黒野球対決」では「1番・DH」で先発出場。金属バットで2安打を放ち、この日のMVPにも選出。純粋に野球を楽しんだ。「僕がマリーンズのユニホームを着る最後の試合。とてもいい思い出ができました。ありがとうございました」。“令和の怪物”が、胸を張って幕張を巣立っていく。(竹内 夏紀)