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斎藤元彦前知事、兵庫県知事再選に涙で感謝「改めまして文書問題ではご心配をおかけしました」

スポーツ報知 2024年11月18日 6時0分

 斎藤元彦前知事(47)の失職による兵庫県知事選が17日に投開票され、斎藤氏が再選を確実にした。元尼崎市長・稲村和美氏(52)ら他の無所属候補6人を退けた。自身のパワハラ疑惑などを挙げた告発文書問題への責任や知事としての資質を問われ、県議会で満場一致の不信任決議を受けて自動失職したが、出直し宣言を県民は受け入れた形。斎藤氏は「謙虚な気持ちをもっと胸に刻んで、歩みを止めず、県政を進めたい。これからが勝負」と涙もためて頭を下げ感謝した。

 県議会の「NO」を結果でひっくり返した。開票状況速報を慎重に見守り、午後9時44分、勝利を確信して神戸・西元町の選挙事務所に入った前知事は多くの支持者の「サイトー!」コールに迎えられ、「前からの活動を通じて、多くの方に応援していただいた。うれしく思います」と感謝の言葉を連ねた。

 知事が不信任となった例は5人目で、失職から出直し選に挑んだのは3人目。2002年に長野県知事に返り咲いた作家・田中康夫氏(68)以来22年ぶり2人目の復活劇だ。

 「改めまして文書問題ではご心配をおかけしました。申し訳なく思います」。21年7月の初当選時は自民や維新の推薦を受けたが、今回は単独戦で「逆風からのスタート」。自動失職翌日の10月1日からは連日、つじ立ちの様子などをSNSで積極的に発信。これが奏功した。演説での「『斎藤か斎藤以外か』で負けるわけにはいかない」「歩みを止めたくない」と悲壮な訴えで支持を急激に拡大した。

 選挙は県民以外にも注目され、ネット上に「斎藤ハメられた説」も浮上。県内の市長会(29人)のうち22人が支持を表明した「本命」稲村氏を逆転した。

 「支援がここまで広がるとは思っていなかった。元々SNSは(自分への)コメントが厳しかったり、いろいろあったんですが…」と苦笑い。「見ている方がこんなにたくさんおられるんだと、SNSのプラスの面を感じた」と効果に驚いた。

 2期目の4年を託された斎藤氏だが、今後も百条委員会で証人尋問が行われる見通し。疑惑に関する調査結果がまとまり次第、公表される。全会一致で不信任を決議した議会との関係性はこじれたままで、安定した県政運営ができるか不透明だ。「いろんなことを学ばせていただいた。ご指摘、ご批判も真摯(しんし)に受け止め、県職員との関係も再スタートし、県議会の皆さんとも、しっかり政策を進めていく。オール兵庫で」とかぶとの緒を締めた。(筒井 政也)

 ◆兵庫知事告発文書問題 県西播磨県民局長だった男性が3月、知事だった斎藤元彦氏のパワハラや企業からの贈答品受領疑惑など7項目を挙げた告発文書を作り関係者らに配った。県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じる公益通報者保護法の対象外と判断。内部調査を進めて誹謗(ひぼう)中傷と認定し、5月に停職3か月とした。これに対し調査の中立性を疑う声が噴出し、県議会が調査特別委員会(百条委員会)を設置。男性は7月に証言予定だったが同月7日に死亡した。斎藤氏は9月議会で全会一致の不信任決議を受け、同月30日に自動失職。再選を目指し知事選に立候補した。

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