17日に投開票された兵庫県知事選で再選した斎藤元彦氏(47)は一夜明けた18日、神戸市内の事務所で報道陣の取材に応じ「当選が現実になるとは想像できなかった」と17日間の選挙戦を振り返り「あした(19日)から公務。インフルエンザの予防接種を早く受けないと。全力でやる」と民意を糧に再出発を宣言した。
自身のパワハラ疑惑の告発文書問題などを巡り、県議会が9月に全会一致で不信任を決議。失職して出直した戦いは「SNSは一つの大きなポイント。草の根的に私の政策を整理・拡散していただいた」と勝因に挙げた。知事選の投票率は55・65%で、前回21年の41・10%を14・55ポイントも上回った。
元尼崎市長・稲村和美氏(52)に県内の市長会(29人)の22人が支持を表明したが、斎藤氏は「(稲村支持に)名を連ねた市長も昨夜、なぜか来られた。いろんな事情があったのでは」と連携強化の必要性を述べた。
一方、県議会の百条委員会はこの日、斎藤氏への証人尋問を25日に行う方針を決定。出頭要請し、パワハラや昨年11月のプロ野球・阪神とオリックスのVパレード経費を巡る不正疑惑など7項目を総括的に検証する。
9月6日以来の緊迫の場が浮かれる間もなく訪れるが、斎藤氏は「必要に応じて調査に協力することになろうかと」。不信任を突きつけた県議員86人との関係も「もともと私の政策に多くの県議が共感していただいた。一部を除いて思いは共通している。大丈夫。3年間やってきましたから」と改善を期待した。