卓球女子シングルスのミキハウス・大藤(おおどう)沙月が18日、WTTファイナルズ(20~24日、福岡)の開幕を前に、大阪・八尾市内の同社施設で練習を公開した。
今年に入ってから国際大会で勝利を積み重ね、4月時点で125位だった世界ランキングを、約半年で8位にまで上昇させた新星。「去年までは、ファイナルっていう存在も知らなくて。今年から優勝、優勝ってしていく中で(出場が)目の前に見えてきて、すごく楽しかった」と、自らの急成長を興奮気味に振り返った。
飛躍のきっかけとなったのは、昨年10月の坂本竜介コーチとの出会い。「卓球は11点取る間に9点取られてオッケーなスポーツ。そんな幸せなスポーツはないので、9点取られてる間に11点取ればいい」。前向きな言葉を掛けられ、気持ちが楽になった。「(以前は)完璧主義だったので、周りとかをあまり見られてなかった。(でも今は)すごく視野が広がって、自分のいいところが試合で出しやすくなった」と、感謝を述べた。
また、今年1月の全日本選手権で平野美宇に0―4で敗戦後、同コーチの提案でラケット、ラバーを一新。「ブロックとかコントロールがしやすいものから、(強く)振らないと入らないラバーにした」と、攻めのスタイルへのモデルチェンジを図った。
最初は「もう全然、(台にボールが)入らなかった」と苦戦。それでも、「我慢しながら、(ラケットを)振るだけの練習をしてきた」と約2か月間、地道な鍛錬を繰り返した。その成果が現れ、今年のWTT勝率は驚異の90%を記録。坂本コーチは「さすがにそこまでいくとは思っていなかった」と、想像のはるか上を描く成長曲線に舌を巻いた。
この日、午後からの抽選では、初戦で同10位のスターツ・伊藤美誠との“日本人対決”が決まった。「(28年の)ロス五輪で金メダルを取ること」が最大目標の大藤。その足がかりを作るべく、「今大会はベスト4に入りたい」と力強く意気込んだ。
その他、大会出場選手のコメントは以下の通り。
横井咲桜(大藤とダブルスで出場)「やっぱり大きい大会なので、ここはひとつ優勝を取りたい」
佐藤瞳(橋本帆乃香とダブルスで出場)「優勝するチャンスが自分たちにもあると思うので、優勝目指して頑張りたい」
橋本「どの試合も簡単な戦いではないと思うが、優勝目指して頑張りたい」