広島は19日、今季限りで現役引退した野村祐輔投手と来季コーチ契約を結んだと発表した。ポストは3軍投手コーチでアナリストも兼任する。背番号は「92」。マツダスタジアム内の球団事務所で会見に臨んだ35歳は「来季からもユニホームを着られるということで、身の引き締まる思い。いいときも悪いときも、選手に歩み寄っていけるコーチに」と、若ゴイ投手陣の育成に意欲を示した。
今季までカープ一筋で13年の現役生活を過ごしてきた。通算80勝を挙げ、引退試合となった10月6日のヤクルト戦(マツダ)を含めたデビューからの211試合連続先発は日本記録。入念な準備に重きを置いた真摯(しんし)な練習への取り組み方は後輩の指針となっていた。3軍では育成、リハビリに取り組む投手の指導を担当し、アナリストとしては自球団のデータを分析して効果的な投球術、練習につなげる情報を提供する役割を担う。
21年以降は登板機会を減らしていたものの、2軍生活で多くの若手投手とも接してきた。「全体で練習することも大事だけど、それ以外のところ。自分に必要なものを自分で考えて、自分で見つけて、自分で取り組む。それを継続してもらいたい。全体(練習)プラス、自分に必要な物というのが絶対にあると思う。そっちの時間を大事にしてもらいたいなと思います」。今後は指導者でありデータ分析官という立場から、後輩たちの背中を押していく。