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【こちら日高支局です・古谷剛彦】藤沢和雄元調教師が馬産地に「期待しています」

スポーツ報知 2024年11月20日 6時30分

 少し前の話題だが、10月29日に胆振軽種馬農業協同組合と同青年部の共催で、胆振地区生産育成技術講座2024が千歳市内のホテルで行われた。JRA元調教師の藤沢和雄氏を講師に招き、「これからの馬産地に期待すること~強い馬と最高のホースマンを育てる条件とは~」をテーマとした講演が行われた。この講座には約300人の牧場関係者が出席し、後半では青年部部長でレイクヴィラファーム代表の岩崎義久氏など役員5人とのパネルディスカッションが行われた。

 藤沢氏は苫小牧の牧場で生まれ育ったこともあり、「私も胆振育ちです」とあいさつし、和やかな雰囲気の中で話が進んだ。前半は、イギリスでの修行時代のことや、サンデーサイレンスとセレクトセール創成期の話題、海外遠征など多岐に渡り自身を振り返った後、パネルディスカッションへ移った。

 「もし調教師に戻るとして、これまでと違うどのようなことをやりたいですか?」「イギリスでの修行時代に学んだことで、今でも通用すると思うことは?」「調教師からみる中期育成で重要視していることや、2歳馬がトレセンに入厩した時の状態で最低限必要な要素は?」「牧場にいる間のカイバについて気をつけておく点は?」など馬に特化した話題から、「調教師時代は苦しい時期もあったと思いますが、どのように克服されましたか?」「馬づくりは人づくりと言われる中、どのような点に気を付けて指導されていましたか?」「女性が働きやすい環境を作るために必要なこととと、馬づくりにおいて女性が優位と思われる点は?」「時代の変化に対応する中、昔も今も変えてはいけないと思われる事はありますか?」など、人にスポットを当てた質問に、藤沢氏は自身の経験を踏まえて持論を展開された。

 その後、会場に集まった牧場関係者に質問タイムを設けていたが、レイデオロに関する質問が多かった。藤沢氏は「レイデオロは、一生懸命走りたがる性格だったので、調教でも加減していました。ダービーの頃から、ターフビジョンに馬が映ると興奮して走りたがる面をより強く出し、ビジョンを見ないようにその側に人を立たせるなど工夫をしました。走りたがる面を『気が良い』と捉え、体力がつく前にオーバーワークにならないよう心掛けることが大切じゃないかと思います」と、答えていた。

 最後に「私も牧場での経験が、調教師の時にすごくプラスになりました。馬は優しく、素晴らしい面がたくさんあります。凱旋門賞に勝てる馬が、私が元気なうちに出てくることを期待しています。皆さん頑張って下さい」と、エールを送った。(競馬ライター)

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