◆「対外秘」 (イ・ウォンテ監督、公開中)
1992年の韓国・釜山で、政治家ヘウン(チョ・ジヌン)が党の公認候補を確約されて国会議員選挙に立候補する。が、力を持つ“陰のドン”が公認候補を自分に忠実なイエスマンに変更。激怒するヘウンは国を揺るがしかねない極秘文書を入手。あるギャングと手を組んで無所属で出馬するが…。
シリアスも軽妙さも巧みで芸域の広い、ジヌンの芝居が光る。もし配役が違ったら全く別の作品になっていただろう。選挙戦の攻防が軸だが、闇の話が多く、途中でヤクザ映画を見ているような気分に。
ただ、タイトルにもある極秘文書を得るまでの描き方が物足りなく、少し残念。先の東京国際映画祭でも特別上映され、話題になったばかり。48歳の主演俳優ジヌンの卓越した演技を堪能することができる。116分。