◆高校バレー福島県大会▽女子決勝 郡山女子大付3-1聖光学院(20日・福島トヨタクラウンアリーナ)
男女決勝が行われた。女子は郡山女子大付の石井美空(3年)がエースの意地を見せる活躍で、聖光学院に3―1で逆転勝ち。9年連続26度目の全日本高校選手権(通称・春高バレー。来年1月5日開幕、東京体育館)出場を決めた。男子は郡山北工が3―0で相馬を破り、2年連続12度目の出場。これで東北地区の春高バレー出場校が出そろった。組み合わせ抽選会は12月1日に行われる。
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第4セットの24―17で迎えたマッチポイント。レフトにトスが上がると待ち構えていた郡山女子大付・石井が高く跳び上がり、右腕を振り抜いた。「去年まで最後の1点を取り切れずに負けてしまう試合が何回もあった。絶対得点を取る気持ちで打ちました」。相手のブロック上からストレートにたたきつけ、優勝。雄たけびを上げガッツポーズし、選手たちとコートで抱き合い、喜びをかみしめた。
同校の歴代エースが着用してきた「背番号7」にふさわしい活躍を見せた。1セット目を先取され、リズムをつかめずに苦しんでいたチーム。だが、12―12で迎えた第2セット中盤に石井が3連続スパイクを決め、形勢を逆転させた。「大事な場面で1点を取るのがエースの役割。それを果たそうと練習してきたので、出せて良かった」。エースの得点とともにチームも勢いに乗った。
絶対女王という立場にもちろんプレッシャーはある。立ち上がりから全力を尽くす相手のプレーに押され「しんどかったし、苦しんだ」と佐藤浩明監督。それでも選手たちを信じ、助言をせずに見守った。「春高は選手たちのキャンバス。好きな色で自由なことを描けばいい」。そうやって成長させてきた選手たちが見事にプレッシャーをはねのけた。
1年時から主戦の石井にとって、最後となる全国。大舞台では先を見ずに一戦必勝で戦っていく。「チームとしては簡単なミスを減らしていきたい。個人としてはずっといい状態でプレーができるようにしていきたい」と言葉に力を込め、全国でもチームをけん引する。(山崎 賢人)