大相撲の第52代横綱の北の富士勝昭さんの死去が明らかになってから一夜明けた21日、NHKのテレビ解説で、正面の北の富士さんと向正面から掛け合いを20年以上続けてきた舞の海さんが思い出を語った。この日はラジオの解説を担当していたが、幕内の取り組みが始まる前に、テレビの解説席に移動した。
「またいつか必ず掛け合いができる日がくることを信じて、ここまで来たんですけどねえ。本当にがっかりですね」と舞の海さんは神妙な表情。視聴者にとっては楽しみだった2人の掛け合いについて「向正面から、いつもぶつかっていって、いなされたり、突き返されたりで、それがすごく楽しみでした」と振り返った。
同じ見解でも、わざと反対の意見を話すこともあったという。「あえて自分が悪役に徹して、私を持ち上げてくれたんです」。2人だけで飲んだ際、「俺とお前は、あまり仲良くしちゃいけないんだよ、その言葉ががすごくうれしかった」と、しみじみ。2人が本当に仲が悪いと疑う視聴者もいるほどのコンビネーションは、2人で完成させたものだった。「常に北の富士さんだったら、この場面、どう考えただろう、こう言ってたな、ということを思い出しながら今後も解説をやっていきたい」と話した。