◆ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12 スーパーラウンド 日本9―1米国(21日・東京ドーム)
「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」のスーパーラウンド(R)が21日に東京Dで開幕。1次リーグ(L)B組1位の日本はA組2位の米国に11安打9点で大勝した。同点に追いついた5回、小園海斗内野手(24)の2点三塁打で勝ち越すと、7回には3ラン、8回に2ランと2打席連発。3大国際大会で日本選手最多となる1試合7打点と大暴れした。先発・高橋宏斗投手(22)は4回2安打8奪三振無失点と好投。開幕6連勝で国際大会25連勝とした日本は、22日にベネズエラと対戦する。
誰にも止められない。小園が、2打席連発など3安打7打点の大暴れで米国撃破の立役者となった。「いや…、自分でもビックリしているので、何とも言えないです。いや、もう奇跡だなと思います」。さらには「ちょっと怖いので、あしたは基本に忠実にやっていきたい」と、不思議そうに苦笑いするしかなかった。
チームを国際大会25連勝、開幕6連勝に導いた。同点の5回に右翼へ勝ち越しの2点三塁打を放つと、2点リードの7回には勝利を大きく近づける3ラン。さらに8回には右翼席中段へダメ押し2ランも放ってみせた。今季、広島では全143試合に出場、588打席で2本塁打だった男が3大大会では15年プレミア12の山田(ヤクルト)以来3人目の2打席連発。プロでは4打点が最多だったが、7打点と圧巻の活躍で侍ジャパンの同史上最多を更新した。井端監督も「どのボールにも対応できるバッター。初対戦でも打っていけるのでこれからも期待したい」と目を細めた。
慣れない守備とも向き合っている。出場全5試合で安打を放ち24打数10安打、8打点、打率4割1分7厘。本職は遊撃で、今季広島では三塁がメインだった。今大会は吉川(巨人)の辞退もあり、本職二塁手がおらず、今季一度も守っていない二塁を任された。
大会前の宮崎合宿中から苦戦し、今でも「不思議な感覚。毎回毎回緊張している」と試行錯誤を繰り返す。現役時代に遊撃から二塁へ転向した井端監督らの助言を受けながら成長を続ける。3回には今季マイナーで104盗塁の俊足シンプソンを封じる「4―6―3」の併殺も「奇跡」と謙そんしながら、華麗に決めた。二塁、三塁、遊撃を守れることは国際大会では大きな武器。26年WBCへ向けても、小園の存在は大きな光だ。
22日の昼の試合で米国が台湾に勝利し、ナイターで日本がベネズエラを倒せば決勝進出が決まる。19年の第2回大会では当時広島の鈴木(現カブス)が、小園と同じ背番号51で大会3冠王でMVPに輝き優勝に導いた。そんな誠也の落書きが原型になった目の下のデビルマンのような黒いシール「アイブラック」も小園の象徴になってきた。「ずっと使っていただいているので、その期待に応えられるように」と指揮官への思いを口にした小園。MVP候補に急浮上した伏兵が、「51」で頂点に駆け上がる。(安藤 宏太)
◆記録メモ
▼3人目の2打席連続本塁打 小園(広)が2打席連続本塁打。プロ選手が出場した(99年以降)五輪、WBC、プレミア12で1試合2発は(WはWBC、プはプレミア12、ラウンドの〈3〉は3位決定戦、Sはスーパー、★は2打席連続)
年 R相手 打 者
13W(2)オランダ★阿部慎之助
15プ〈3〉メキシコ★山田哲人
17W(2)キューバ 山田哲人
24プS米 国★小園海斗
(阿部は1イニング2発)
4度目。連発は小園が3人目。
▼初の1試合7打点 小園はこの試合で7打点。3大大会(99年以降)では、23年WBCの岡本和真(巨)ら5人、6度(日本ハム・中田翔が15年プレミア12、17年WBCと1人で2度)がマークしていた5打点を上回る、最多記録になった。