ソフトバンクのリチャード(砂川リチャード)内野手が22日、球団事務所で契約更改交渉に臨み、保留した。今季年俸は1000万円で、提示は現状維持だったとみられる。だが、約70分のロングラン交渉の席で求めたものは、金銭ではなかったようだ。
リチャードは会見に現れず、球団を通して「球団からいただいた評価と期待に対して、自分の判子を押す覚悟が決まらなかった。判子を押す時は1年間やり通す覚悟で押したいので、もう少し考えたい」とコメントした。
一塁に山川、三塁に栗原という球界を代表する選手がいる限りは出場機会も限られる。つまり、この2人を押しのける覚悟が定まらない限りは「判子を押す覚悟」も定まらないということか。つまりは交渉で移籍を志願した可能性もある。
今季はウエスタン・リーグで18本塁打、54打点。空前絶後の5年連続5度目の本塁打王と、3年連続4度目の打点王を獲得した。しかし1軍では本領発揮できない。デビューした21年以降ではキャリア最少の15試合出場にとどまり、2年連続本塁打ゼロ。5月上旬の一時期は不調の栗原を追いやってスタメン三塁を勝ち取ったが、長続きしなかった。
選手層の厚いソフトバンクでは、なかなか出場機会をつかめないロマン砲。求めるものが金銭ではないだけに、交渉は難航しそうな気配だ。