巨人・浅野翔吾外野手(19)が22日、来季の目標に「70打点」を掲げた。都内の球団事務所で契約更改し、570万円増の年俸1800万円(金額は推定)でサインした。今季は8月中旬の1軍再昇格からスタメンをつかみ、リーグ優勝に貢献。シーズンを通した1軍定着を目指し、球団の高卒3年目以内では王貞治、松井秀喜に続く快挙をノルマに設定した。
上を目指す気持ちしかない。浅野が「中軸」を意味する目標を掲げた。「70打点以上を目標にやりたいと思います」。今季の巨人で打点70に到達したのは主砲・岡本和(86打点)だけで、リーグでも7人のみ。球団の高卒3年目以内では、95年に80打点をマークした松井秀喜以来となる“大台”を狙う志を明かした。
浅野にとって「70」は明確な意味を持つ。高いハードルを置いた意図を問われると「1軍に定着しないとそこまでいけないと思うので。そういう意味も込めて、ちょっと高めに設定しました」。今季は8月中旬から右翼の定位置をつかみ、40試合出場で打率2割4分、3本塁打、18打点。143試合に換算すると約64打点となる。シーズンを通してレギュラーに定着し、今季の打棒を上回って初めて、自らに課したノルマをクリアできる。
今オフは高卒2年目の選手としては異例の単独自主トレを行う。秋季練習中に阿部監督の了承を得て「メンタル、気持ちの面で強くするという部分を含めて」と正式に決断した。指揮官からは「質より量」と助言を受けたといい「1年間、しっかり戦い抜ける体づくりをしていこうかなと思います」と覚悟を決めた。
節目の20歳を迎える24日を前に、報道陣から贈られたバースデーケーキをほおばった。リーグ優勝時のビールかけには参加できず「お酒をかけないで下さい」とボードを下げて炭酸水を浴びた。「楽しそうにやっているのを外から見ていたので(笑い)。来年は自分もそこに入りたい」と連覇への貢献を誓った。
契約更改を控えた午前中は、G球場の室内でマシン打撃を敢行。並んで打った丸に助言を受けながら汗を流した。有望株から巨人の中軸へ―。飛躍を期す3年目への戦いはすでに、始まっている。(内田 拓希)