ドジャース・大谷翔平投手(30)が21日(日本時間22日)、全米野球記者協会(BBWAA)が選出するナ・リーグの最優秀選手(MVP)に満票で選出された。史上12人目となる3度目の受賞で、DH専任選手、移籍してリーグをまたいでの2年連続受賞はともに史上初となった。
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大谷の3度目のMVP受賞に際し、恩師である母校・花巻東の佐々木洋監督(49)は22日、最大限の賛辞を贈った。
大谷は高校2年時、目標として「ワールドシリーズ制覇」と「世界最高のプレーヤーになる」などと記した。有言実行を果たした教え子に対し、「何を目指して何をするべきかを明確にして、思い描いたものを実現していく姿に感動を覚えます。できるかどうかは『過去』に基づいて判断するものではなく、『知識』よりもはるかに想像力や強く思い描くことが大切だと教わった気がします」とうなった。
入学後「最速160キロ」の目標を掲げた大谷に対し、「163キロを目指さないと160キロは出ない」と上方修正させた。だが、卒業後の大谷は指揮官の予想を超えていった。「私には3度目のMVP受賞、59個も盗塁することなど想像もできませんでした。活躍を目にするたびに、私以外の指導者なら高校時代にもっと可能性を引き出せたのではと反省しています」と続けた。
大谷が股関節を負傷した2年夏以降には、最適な治療を受けさせるため関東を含めて複数の病院を受診させた。時には約2か月も投球練習を禁じるなど、常に教え子の将来を最優先に考えてきた佐々木監督は、最後に「岩手県、そして花巻東高に元気や夢を与えてくれる活躍に感謝します。大谷選手に『ありがとう』と伝えたいです」と感謝の言葉を述べた。(高橋 宏磁)