◆ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12 スーパーラウンド 日本9―6ベネズエラ(22日・東京ドーム)
井端監督の組んだ打線が呼び込んだ6回の逆転劇だろう。1次Lから基本的に固定で、スーパーRは2戦連続同じ打順。本来なら牧が4番、森下が6番だろう。それがどうしても6番・牧のところに走者を置いて回ってくる。
7番・源田、8番・佐野も普通なら逆に組む。だが、源田の走力、小技などを考え、牧と佐野の間に挟み、下位にもう一つのクリーンアップができているようだ。「4番が侍ジャパンの顔だ!」というのはなく、勝つことに集中し、全体の流れを重視している。当初、先発DHだった清宮の調子が上がらないとみるや、佐野に代えた判断も奏功した。
牧の一発は「もうインサイドはない」と読み、踏み込んで打ったもの。勝負どころでしぶといね。流れを呼んだ坂倉の一発は、もちろん大きい。だけど、捕手としてその直前、6回の被弾はいただけない。どうみても直球に合わなそうだった4番打者。変化球を投げさせるなとは言わないけど、追い込んだのだから、若い井上に大きなジェスチャーで意図を伝えないと。ただ、やはり本塁打を打てる捕手は魅力。26年WBCは日本の投手力を考えれば接戦になる可能性が高い。山本(DeNA)も 候補だが、パンチ力で上回る坂倉は、いいアピールになった。(スポーツ報知評論家・高木 豊)