◆明治神宮野球大会 ▽高校の部準々決勝 東海大札幌0-3広島商(22日・神宮)
10年ぶり出場の東海大札幌は初出場の広島商(中国)に0―3で敗れ、初の4強入りを逃した。守備が乱れて1、2回に連続失点。3回以降は先発の高橋英汰投手(2年)ら3投手が相手打線を無失点に抑えたが、打線が4安打無得点に抑え込まれて完封負けを喫した。
またもや“8強の壁”を越えることができなかった。4度目の準々決勝は、前回の2014年に続き完封負け。2番・鈴木賢有捕手(2年)は「(ミスが続いた序盤に)自分が声を出してまとめられなくて、流れがあっちにいってしまった」と肩を落とした。
立ち上がりに浮き足立った。「目きりが早くて、進塁につながってしまったところが一つポイントだった」と遠藤愛義監督(40)。1回1死。単打かと思われた左中間方向の打球を太田勝心(まさむね)中堅手(2年)が止めることができず打者は三塁に到達。次打者の中前適時打で先制点を奪われると、その後2死一、二塁から今大会初スタメンの佐藤聡央也三塁手(2年)の悪送球でさらに失点。2失策以外にも記録に残らないミスが続き3点を失った。
1回戦の大垣日大(東海)戦から打順が同じ選手は2人のみ。大幅にオーダーを入れ替えて臨んだ打線は、相手の先発左腕・徳永を前に6回2死まで無安打。前半は変化球に狙いを定めていたが「ボール球に手を出してしまった」(鈴木)。直球に狙いを変えた6回以降は4イニング連続で得点圏に走者を進めたが、最後までホームベースが遠かった。
神宮2戦で3得点3失点。投手陣は全国でも通用する手応えを得た一方、出場を確実にしている来春のセンバツに向けて打撃の課題が浮き彫りになり、「振る力は付いてきてるけど、捉えるところがもう一歩上がってこられるように」と指揮官。一冬でレベルアップし、春の大舞台に臨む。(島山 知房)
〇…背番号7の矢吹太寛(たお)投手(2年)が自己最速を1キロ更新する144キロをマーク。「球速の部分は良かった」と、3回を1安打無失点に抑えた。1回戦は先発し4回0封。「いつでもいける準備はしてました」と、この日は3番手でマウンドに上がり、直球とスライダーを中心に危なげなく抑えた。全国で2試合連続無失点と好投した左腕は来季に向け、「流れが悪い時にチームを勢いづけられるような投手になりたい」と力を込めた。
★東海大札幌・高橋英汰投手(2年=先発し5回7安打3失点)「ゾーンで勝負することを意識してやってきたが、今日はできなかった。そこが来春までの課題」