今年、レスラーデビュー50周年を迎えた「邪道」大仁田厚(67)が23日、島根・松江市の松江テルサで開催された、ご当地社会人プロレス団体・松江だんだんプロレスの2024年FINAL大会に初参戦した。
同団体は全国で2番目に人口の少ない島根県をプロレスの力で盛り上げようと2010年に旗揚げした社会人プロレス団体。「だんだん」とは島根の方言で「ありがとう」の意味。グレートカグラ、マツコ・デラックスならぬマツエ・デラックスなど地元で愛される個性的なレスラーが多数在籍している。
往年の名レスラー・マイティ井上氏から「マイティ」の使用許可をもらったと話すALLマイティ井上は「マイティ井上さんは大仁田さんの全日本プロレス引退試合の対戦相手。今回、だんだんプロレスに大仁田さんが参戦してくださることに縁があるなと感じます」とニッコリ。
狭い会場ながら立ち見客も出た約500人の大盛況の中、行われたメインイベントで大仁田は井上、グレートカグラと組んで、雷神矢口、佐野直、ガイナタイガー組とハードコア6メンタッグマッチ60分1本勝負で激突した。
序盤から矢口に有刺鉄線バットで執拗(しつよう)に攻め立てられた井上が大流血。会場から悲鳴と井上コールが起こる中、大仁田も負けじと佐野にコブラツイストをかけたが、矢口の暴走は止まらず、大仁田を有刺鉄線ボードに叩きつけた。
「月曜から仕事なんです! やめて!」と社会人プロレスらしいヤジと悲鳴が交錯する中、流血が止まらない井上には中々、挽回のチャンスが巡ってこず苦戦を強いられたが、転機となったのは中盤だった。
大仁田がガイナを捕らえ、テーブルへの豪快なパイルドライバーを決めて形勢逆転。さらに「邪道」は佐野に毒霧を浴びせると、最後は井上が有刺鉄線ボードで覆ったガイナに地元の意地のセントーンを決め、3カウントを奪った。
快勝後のリングでマイクを持った大仁田は「いつまでも、松江だんだんプロレスを愛してやって下さい! だんだんファイヤー!」の雄たけびで大会を締めくくった。