◆スピードスケート◇W杯第1戦 第2日(23日、長野市エムウェーブ)
男子1000メートルで小島良太(エムウェーブ)が1分8秒54の好タイムで4位に入った。表彰台には0秒11届かなかったが「最初から積極的に行った。この3年ぐらい、200メートル通過後の小さいカーブを回ることに苦労していたが、インスタートではエムウェーブの自己ベストを0・4秒更新するタイム。良かった」と納得の表情を浮かべた。
レース直後には力強いガッツポーズも飛び出した。長野県出身。5年ぶりに地元で開催されるW杯は心待ちにしていた舞台だったが、22日は500メートルで転倒と悔しい初日となった。前夜は落ち込んだが、結城匡啓コーチと「意識が靴や刃先の方に向いていて、小手先で滑りを修正しようとしていた」と反省点を確認。「もうちょっと体の奥に近い部分に意識を向けた。一晩で修正して、自分を超えることができた」と胸を張った。
このレースで優勝したのは、世界記録を持つ20歳のジョーダン・ストルツ(米国)。1分7秒18は従来のリンク記録を1秒15も塗り替える異次元のタイムだ。小島は「もう最高ですね。あそこまでのタイムを出してくれると」と脱帽。その後で「ちょっとお茶に行ったりする仲」と意外な友人関係を明かした。レース後に取材に応じたストルツも「(小島は)すごく頭が良く、素晴らしい人。いろんな話をしている」と語った。
小島はストルツが国際大会で頭角を現し始めた17歳頃から「高校生で頑張っている、すごい才能ある子がいるなと思って、よく声をかけているうちに仲良くなった」という。「技術や考え方に刺激を受けるところがある。追うだけの立場なので、彼のいいところを見てやっていきたい」と最強のライバルから学んでいく姿勢を示した。