プロレスリング・ノアの来年元日の日本武道館大会でWWEの中邑真輔と一騎打ちする佐々木憂流迦が23日、都内でプロレスマスコミ各社の囲み取材に応じた。総合格闘技でUFCと契約するなど世界で活躍。今年1月2日の有明アリーナ大会でプロレスデビューしGHCナショナル王座獲得など実績を残した。デビュー1年目でWWEスーパースターとの破格マッチ。中邑からプロレスリング・ノアの公式「You Tube」で「なんやかんやチヤホヤされてんじゃねえの」などと断を突きつけられた。決戦まで1か月あまり。憂流迦が本音を激白した。現在、武道館大会のチケットはアリーナS席は残りわずかとなっている。大会詳細はNOAH公式サイト(https://www.noah.co.jp/)。
―武道館へ道を歩む中で手応えは?
「苦しんでますね…う~んとですね…心ですかね。俺、結構、こういう取材の時もいろいろ考えてきたりするんですけど、今日はまったく考えてないです。ありのままで。その時に感じたものを感じ取ろうと今、話している最中でございます」
―研ぎ澄まされた状態?
「研ぎ澄んでるかどうかすらわからないですね…ただ、敏感にはなってる気はしますね」
―中邑のYouTubeでのインタビューで感じたことは?
「見ました。もちろん。すぐに見ました。すっげぇ言ってくれるなっていうのは思いましたね。感じてることをリングの上で照らし合わせる前に全部言ってくれるからありがたいという気持ちもありながら、やっぱ、まだ足りてない部分がひしひしと痛感してるというか…全部見透かされてるでしょうね。それは間違いないでしょう。だからこそ、今、この時、やれる時なんで、もっともっとやんなきゃなって思います」
―「甘やかされてる」と言われたが?
「何も言えないですね(笑)そこはもう何も言えないです。感じてるんですよ。感じてるところをズバズバ言われてたんで。やっぱ、この時、もっとやらなきゃなっていう時なんだなって思ってます」
―具体的には、何を「やらなきゃ」?
「どっちかっていうと一番、苦手にしてきたところなんで。僕はすごく苦手なところなんで、そこをどうやって突き破れるか?っていうところですね。あんま具体的じゃないですね(笑)でも…生きるか死ぬか?…言ってた部分がありますたけど『死ぬ気でいきますよ』としか言えないです。響いたのは全部響いてるんですけど、何て言ったらいいのかな…格闘家、プロレスラーである前にまぁ本名・佐々木佑太ですけど、佐々木佑太の部分がありますし…自分の持ってるところをやっぱり、大きくしていかないとね。そこでしかぶつけられないんで。そんなハリボテのガワのところなんてペシャンってやられちゃうと思うんで。そこの部分をいかにしっかりぶつけられるかな?という気はしますね」
―今、話した「苦手な部分」とは、具体的にどういうことですか?
「具体的な部分は、僕の本当のところみたいなところを出すことに対しての抵抗みたいなところを僕は持っていたんですけど、どっちかって言うとガワでやる人間だったんで、そこの部分ですよね。そこの部分がやっぱどこかでセーブしたりするんで。そこをしっかりタガを外したいなって思ってますね」
―「本当のところ」とは、どういうことですか?
「例えば、ネガティブな感情だとか負の感情もそうだし…1個かぶせて相手に伝えたりもするんで。そういうところも全部出るんですよ」
―素でやっていないってことですか?
「素でやってない部分はメチャクチャあるんじゃないですか?やっぱり。こうした方がいいだろうなって頭で考えちゃうのが先なんで。それをすべて取っ払って子供に戻った気持ちでむき出しでいかないと通用しないんです、たぶん」
―それは中邑には通用しないという意味?
「それはそうだと思いますね」
―今までの相手には通用していた?
「ここで何かまた1個変わるような気がしますね。今までのやつが悪いとかじゃなくて、今の僕に必要だと思ってるからそれは必要であってやろうと思ってることなんで。今までのやつが悪いとは思ってないですけど、今、ここが必要だと思ってます」
―今、総合格闘家時代に得意としていたスリーパーを封印している状態。そこはどう考えているか?
「プロレスの例えば技とか技術的なこともそうだし、試合をすることによっては自分自身伸びてると感じてるんですよ。格闘技の技術を使わずにプロレスの技だけで試合を成立させるのは自分の中で技術はすごく上がってる気がしますけど、またそこの部分じゃない部分が今、必要とされてると強く感じてるので。技術的な部分は『はい、明日、めっちゃうまくなりました』っていうのはないんで…それは本当に積み重ねでしかないから、毎回毎回技術的なことは変わらずにやり続けることで、気持ちの部分だったりとか…しっかり、そこを出していくことに関しては、やらないと変わらない部分。本当に『あぁ、ここまででいいや』ってなってるところは、そこまでしか全然いかないし、超えれないんです。だから、そこが今、メッチャきつい。正直、めちゃくちゃキツイ。辛い部分ですね」
―キツイと思い始めたのは、いつぐらいですか?
「いつぐらいかな?3か月前ぐらいかな。N―1ちょっと前ぐらいには必要だと感じてて、そこのトライを結構、やって、いい時、悪い時もあって、トライ・アンド・エラーしつつ。でも特に最近、1月1日決まって、急速にこう必要になってきてる部分ではあるんで。より、多くなりましたね。そこの部分に対するトライは」
―率直に言ってこの試合は勝負論が見つけずらい。どうトライして高めていくか?
「はっきり言ってプロレス1年目(の自分)では、中邑真輔が『勝つ』っていう人が多いっていうのは僕でも分かりますよね?。でも、ここで『オレが勝つぞ。しっかりぶっ飛ばして勝ちます!』みたいなのは、オレは違うと思うんだよな…。闘いだから、しっかり勝ちますけど、勝ちに行くけど、自分のすべてを出して爆発させたいと思いますけど…今、感じてるのは単純に勝ちたいっていう感じじゃないんだよな…難しいな。世間に俺『憂流迦勝つかも』って思わせようと思ってないな。だって、誰しもそうだと思うけど、全員が勝ちにいってるじゃないですか試合っていうものを。そこで誇大して勝ちます!勝ちます!ってなってないな。勝ちにいきたいからこそ、心の部分の準備をしてるわけで…それが1月1日の試合前とかにちょっとでも垣間見えたら思うかもしれないですね。心の部分とか爆発力的なところがある種、感じられたら思うかもしれないですよね、お客さんの側は。む大会数も少なくなってきますけど、でもひとつひとつ出したいですよね。オレにしてみれば、そこかもしれないですね、キーは。今のこの…別にヌルってやってるわけじゃないけど、そこじゃなくて『すっごい爆発力だな』みたいなところ。そこは心の解放だと思うから。そこの部分が見せたいですね、1月1日の前に。少し見せられたらそう思ってくれるんじゃないですか?心の解放ですね。爆発ですね」
―解放することを悩んでいる?
「悩んでるというか、やることは決まってて、だからこそ、今、結構、心が敏感になっちゃってて情緒が安定しないっていうのがありますね」
―心が解放したら、試合の内容が変わってくるのか?プロレスラーとしての立ち振る舞いが変わるのか?
「全部変わるんじゃないですか。全部変わるような気がします。(元日の)その前に出したいとは思いますけど、果たしてどこまで出せるのか?」
(インタビュー後編に続く)