プロレスリング・ノアの来年元日、日本武道館大会でWWEの中邑真輔と一騎打ちする佐々木憂流迦が23日、都内でプロレスマスコミ各社の囲み取材に応じた。デビュー1年目でWWEスーパースターとの破格マッチ。中邑からプロレスリング・ノアの公式「You Tube」で「素の佐々木憂流迦でくれば」と突きつけられた。インタビューの前編に続く後編では、中邑の言葉に考え悩む憂流迦が本音の胸中をさらけ出した。現在、武道館大会のチケットはアリーナS席は残りわずかとなっている。大会詳細はNOAH公式サイト(https://www.noah.co.jp/)。(前編に続く)
―「You Tube」で挑発してきた中邑への怒りはある?
「怒り…ずっと思ってるのが先輩とか尊敬してるとか関係ない。ただ僕ってあまり、心がグワッて動くことってあんまりないんです。こと格闘技においては。闘いにおいては動きますけど。日常とかでそういうこと言われても何も思わないんですけど。最近は特に感じてきてて、今もちょっと心が動いてるんですけど。動いてて話してたんですけど(笑)。だから、ふざけんなよ、とかうるせぇとか負の感情が出たら受け入れるでしょうね。まだ出てきてないですけど。それがもしかしたら当日かもしれないですけど、顔を見た時かもしんないし、それはわからないけど。受け入れる準備はできてますね。でも、僕は常々、先輩後輩はそこには関係ないと思ってます。ムカつくものはムカつくじゃないですか」
―今までムカつくことは?
「あんまりないな…」
―格闘技で負けるとムカつく?
「ムカつくっていうか、俺、自分が悪いなって思っちゃうんで。あそことここを直そうって。けっこうどっか1個冷静でいちゃう部分があるんです。これって結構、弊害でいらない部分だと思ってる。ムカついた時に100パーセント、ムカつくってしたい今は。だから逆に疲弊するんです、疲れる」
―中邑へ対抗していきたいところは?
「そうだなぁ…何ができるっていうのは、その証明は試合でしかできないですよね。でも、そうだねぇ…何ができる?…何ができますかねぇ…そこだけの部分だけじゃない気がする…何か今、あんまり言葉にしなきゃいけないんだけど、言葉にしたくない気持ちも今、すごくあって。何だろう…安易になっちゃうんですよね、言葉にしちゃう何か。これとこれをやるよ…これ難しいですね。言葉にしなきゃいけないんだけどさ、何だろう…もう完全に試合を本当に見てほしいなって思うんですけど、試合で全部やります。試合全部ぶつけます、と。中邑真輔に。難しいね、これ。いつもスラスラ言葉にするんですけど…」
―こういう場を設けられたのも苦しい?
「本当に申し訳ないですけど、マジでそうなんですよ(笑)。先日、NOAH TIMEの撮影がありまして、マジでイヤで(笑)。もういいよって思ってたんです。でも、本当、1月1日、いろんな人に来てほしいって気持ちは確かにメチャクチャあるし。ただ、やっぱり真輔さんの前に立つことにすごく集中したいというか、浸かりたい気持ちが強いんですよね。そこに対して心が動いてしまう、それ以外のことに心が動いてしまうことが今苦しいですね。何ができますか?考えちゃう…何ができる?…きっと真輔さんがごちそうだな思ってくれる状態にはもっていきたいです。こう来たぞってリングで思ってもらいたいでsね」
――MMA、プロレス含めて、試合前にこういう謎かけを受けることはなかった?
憂流迦「謎かけは、あんまりないですね。総合の時代はないですね」
――中邑真輔vsグレート・ムタ(2003年1月1日)で見た時のようなアートを描けるのかという不安は?
「ムタvs真輔と同じのはできない。今の自分ではたぶん無理でしょう絶対。でも、目標にはしてますけど、ボクの心が動いたみたいなところをしたいのは目標ではありますけど、1月1日がそうなるかどうかは全然考えてないですね。それよりも自分自身やることをやらなきゃいけないんで。集中する方が大事ですよね…。いやでも、本当、心の部分がちゃんと納得いくところまで持っていけたら、メチャクチャ強くてメチャクチャいいごちそうになると思いますよね」
―複雑なこの心境を簡単な言葉で?
「無理でしょう(笑)。葛藤かな。葛藤がいいかも。葛藤が一番合ってるかもしれないですね。葛藤が抜けた先はたぎるんじゃないですか…とは思いますよね。たぎるっていい言葉だよね。ああなるのかな」
―中邑もたぎるまでキャリアが…
「ありましたね。たぎるっていうワードがなかったじゃないですか。そこにたどり着くまですごく葛藤があったでしょうね。メチャクチャ的を射てますよね。この葛藤の先に何があるのか?ですよね…ずっと考えちゃうな」
―1年前にはプロレスでこんなにで葛藤すると思ってた?
「思ってないですね。楽しい気持ちばっかりでしたね」
―何ですか?プロレスって。
「何ですかね?何ですかね?何だろうね…ウソがきかないんじゃないですか。ウソって言い方はよくないけど。何かこう、わかんないですけど、いろんなレスラーがいるし、いろんな求めてることもあるし、正解なんかないけど、ボクが望むところはそこですね。どういうふうに見る側がどう受け取るか知らないですけど。あとは爆発じゃないですかね」
―今の時点で中邑は敵ですかそれとも超えるべき壁なのか?
「中邑真輔。中邑真輔は中邑真輔ですね。戦う相手であり真輔は真輔です。超えたい部分があるかってて聞かれたら、それは超えたい。けど、敵というか、戦う相手という認識はある。今、敵ですげぇ絶対、ぶっ潰してやる、みたいな気持ちではない。ただ、しっかりと勝ちには絶対にいく。何だろうな…?そういった意味じゃ、今、中邑真輔が考える佐々木憂流迦を超えたいですよね。向こうが考えている佐々木憂流迦を超えたい。超えた上で勝ちたい。ある種、それが超えたことになるんじゃないですか」