将棋の女性アマチュア日本一を決めるムアツ杯第56期女流アマ名人戦(主催=日本将棋連盟、特別協賛=昭和西川株式会社、後援=報知新聞社)が24日、東京・渋谷区の「駒テラス西参道」で行われ、札幌市在住の井澤早紀さん(29)が初優勝した。2位は大城千花さん、3位は土山史織さん、吉川惠さんだった。
優勝の井澤さんは「ほっとしました。これをとったらいつ将棋をやめてもいいなと。最強でやめたかったので、目標を達成できてよかったです」と語った。
表彰式では昭和西川の高機能マットレス「ムアツマットレス スタンダードレギュラー」と枕が授与され、笑顔を見せた。本大会特別協賛の昭和西川と将棋連盟が同連盟100周年を機に共同開発した「対局用ムアツ座布団」は千駄ヶ谷の新将棋会館「棋の音」で販売が開始されている。
井澤さんはJT将棋日本シリーズ札幌こども大会低学年の部で優勝経験もあり、23年1月頃まで研修会C1クラスに所属していた。その後は退会し、アマチュアとして将棋大会への出場を続けていた。
好きな女流棋士には磯谷祐維女流初段をあげ、「研修会を辞めた後、私が『もう将棋をやりつくしたな』っていったら、磯谷さんが『アマを勝ち上がったらプロ棋戦にもでられる。そこで待ってるから』って言ってくれて。なので、磯谷さんが好きです」と明かした。
今後については、「アマ強豪の方々が好きなので、アマ強豪の方とたくさん将棋を指して、たくさん将棋を見たいです」と話した。
女流アマ名人戦は1968年にスタートし、半世紀以上の伝統を誇るアマチュア棋戦。79年優勝の林葉直子さん、83年優勝の清水市代女流七段、2005~06年連覇の香川愛生女流四段ら、後にタイトルを獲得する女流棋士らを数多く輩出してきた。昨年3位の岩崎夏子も今年4月に女流棋士となった。(瀬戸 花音)