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初優勝の琴桜 同じしこ名の祖父の元横綱に思いはせる「そろそろ優勝しないと、先代に怒られると思っていた」 

スポーツ報知 2024年11月24日 18時13分

◆大相撲九州場所千秋楽(24日・福岡国際センター)

 1敗の首位で並び21年ぶりとなった大関同士の千秋楽決戦は、琴桜(佐渡ケ嶽)が豊昇龍(立浪)に勝ち、初優勝を飾った。琴桜は、激しい突き合いから、豊昇龍が右上手投げにくるところを、はたき込んだ。琴桜は3日目の東前頭筆頭・王鵬(大嶽)に不覚をとったものの、4日目から12連勝、03年名古屋場所の魁皇―千代大海以来の大関同士の千秋楽相星決戦を制した。14日目に確定した自身初の年間最多勝利数を66に伸ばして今年最後の場所を終えた。

 「(優勝)決定戦を経験したり、優勝に近づいても優勝できなくて、苦しい思いもあったけど、しっかり辛抱してやっていれば、できると実感できた」と琴桜は感慨深げに振り返った。賜杯の重さを聞かれ「重たかったです」と初めて笑顔になった。この日の一番については「がむしゃらに取っていたので覚えていない。気付いたら、相手が土俵に落ちていたので、それで、勝ったと思いました」

 琴桜の祖父、元横綱・琴桜は73年名古屋場所で優勝決定戦の末、横綱・北の富士を破り、賜杯を抱いており、約半世紀ぶりに「琴桜優勝」が実現した。先代が初優勝を飾ったのが大関5場所目と全く同じになった。「間に合ってよかったです。そろそろ優勝しないと先代に怒られると思っていた」と笑わせた。

 琴桜は15年九州場所で初土俵。20年春場所、新入幕。今年の初場所後、大関に昇進。父から受け継いだしこ名の琴ノ若のまま1場所を過ごし、夏場所から琴桜を襲名した。「先代は横綱ですし、『ここで満足するな』と言われると思うので、しっかりと次の場所に準備して先代に追いつけるようにしたい。先代や師匠(佐渡ケ嶽親方、元関脇・琴ノ若)にもないような相撲を取っていきたい」と、来年初場所での綱取りに力強かった。

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