世界各国で全13戦開催されるシリーズの最終戦となるラリー・ジャパン最終日は第17~21競技区間が行われ、ドライバー部門は現代(韓国)のティエリ・ヌービル(36)=ベルギー=が初の総合優勝。過去、2位を5度経験してきた“シルバーコレクター”が、ついに頂点に立った。製造者部門はトヨタが逆転で4連覇を達成。前戦までトップに立っていた現代は2位に終わった。
メガネがトレードマークのベルギー出身ドライバーのヌービルが、悲願の総合Vを達成した。「本当に良かった。ようやく(タイトルを)取ることができて本当にうれしい」。家族や関係者と抱き合って喜びをかみ締め、表彰台での仲間とのシャンパンファイトを歓喜の声をあげて満面の笑みで味わった。
総合争いでヌービルを追っていた2位の同僚オット・タナク(37)が、第17区間でクラッシュ。無念のリタイアとなり、ヌービルの順位が確定した。豊田スタジアム内に特設された第20区間では、豪快なドライビングで会場を沸かせた新王者にスタンドから祝福の拍手が送られ、ヌービルは運転席から何度も手を振り歓声に応えた。
2009年に世界ラリー選手権に初参加。同レースでは通算21勝をマークしており、14年に現代に移籍してからもエースとして活躍してきたが、これまで2位に終わったシーズンは5度。総合優勝とは縁遠かったが、ようやく“シルバーコレクター”からの脱却を果たした。
製造者部門では、現代はトヨタの逆転を許し2位でフィニッシュ。19年、20年に続く3度目の優勝は逃したものの、現代のドライバーズタイトルの獲得は初めて。ヌービルにとってもチームにとっても、価値のある栄冠となった。