◆明治安田生命J3リーグ 第38節 金沢1-0奈良(24日、金沢ゴーゴーカレースタジアム)
J3ツエーゲン金沢は、1-0で17位の奈良クラブに勝利。今季最終戦を4戦ぶりの白星で飾り、最終順位は12位となった。最大の目標であるJ2昇格を果たせなかったが、23日には伊藤彰監督(52)の続投をクラブが発表。サポーターからは監督の責任を問う声も上がったが、クラブ側は、昨年とは違うサッカースタイルに挑戦し、土台を作ってきたと評価。取り組みを継続することでチーム力も上がると判断し、伊藤監督に続投を要請した。伊藤監督は「このチームで新しく、今までやってきてないサッカーを作りたいという強い気持ちが、(要請を引き受けた)一番の理由です。ベースをしっかり作って、J2でも戦える技術、戦術を身に付けないといけない。それは昨年までJ2で戦ってきた選手たちが、J3に落ちたときに感じたものだと思います。もっと勝つサッカーを見せ、成長し続けることにチャレンジしたいと思います」と決意を語った。
今季は浮き沈みの激しいシーズンとなった。開幕3連敗の後にチームは立ち直り、7月6日の第20節には、今季最高の3位まで浮上した。「シーズンの前半戦は、僕が目指すサッカーよりも、守備的なものが多かった。守備から攻撃の切り替え、縦に速い攻撃で結果が出た」と振り返る。夏の中断期間には、実績のある4選手を補強して戦力はアップ。「ゲームとしてイニシアチブを取れることが多くなり、相手コートに押し込む時間が多くなった。しかし、最後のクォリティーのところで(得点できず)、得点が取れなかったときに、広大なスペースをセンターバックが守らないといけない。そういうデメリットがあった」と指揮官。先制点のチャンスで決めきれないことも多く、夏の中断期間明けの8月17日以降は2勝8敗5分と苦戦が続いた。
ボール支配率は徐々に上がり、来季の攻撃の課題として、速さと強さを挙げる。「ボックス(ペナルティーエリア)内に入っていくパワーを、もう1ランクあげないといけない。これが来シーズンへの課題になっていくと思います」と指揮官。今季をベースにして、さらなるレベルアップを目指す。(中田 康博)