7人組人気グループ・BALLISTIK BOYZ(BBZ)の9枚目のシングル「SAY IT」が12月4日に発売される。制作に参加した松井利樹(24)は「曲づくりは楽しいので、今後もやっていきたい」と意欲を見せた。6日に行われた初の日本武道館公演は「過去イチのステージができて、自信になった」とも。米ニューヨークへの音楽留学をかけたグローバル・ジャパン・チャレンジ(GJC)の落選で味わった敗北感を始め、波乱に満ちたダンス人生を語ってもらった。(国分 敦)
シングルには表題曲の「SAY IT」の他に「7」「360°」の3曲が収録され、表題曲と「7」には松井、深堀未来(25)、奥田力也(25)の3人のメンバーが制作に参加している。
「当初『SAY―』は僕らだけで制作する予定でしたが、HIROさんから『自分が信頼しているチームがいるから、一緒にやるのはどうか』というご提案をいただいて、ご一緒する形になりました。『7』の方は自分たちだけで作ったラップ曲です。作詞作曲も僕らがしたので、自分たちのやりたいことや見せたいモノをリアルに形にできたと思います。この楽曲を作る時、僕が力也と未来に武道館をイメージした時の世界観を伝え、納得してもらってから制作に入りました。リリックも1、2番のラップ、サビの歌詞は、ほぼほぼ僕が考えさせてもらいました。曲づくりは楽しいので、これからもやっていきたいです」
初の武道館は刺激的なステージだったようだ。
「正直あんまり覚えてないです。目の前に何千人っていうお客さんがいるんですが、なんか無音なんです。3曲目ぐらいから『あれ、俺、武道館に立っている』と実感が湧いてきました。終わった後にビデオを見返しましたが、厳しい目で見ても過去イチのステージだと思ったし『自分たちもこんなにやれるんだ』と自信になりました。1公演じゃもったいないので、会社に『アリーナツアーやりたい』と言ってみます(笑い)」
小1からダンスを始め、中1でEXPG福岡校の特待生に合格。2度のダンス日本一に輝いたが、手にできなかった夢もあった。
「中1の時にGJCがあって『ニューヨーク(NY)好きの俺のためにある』と、ウキウキして受けたら最終審査で落ちました。ダンスで絶対に負けない自信があったのでめっちゃ悔しかったです。それに合格した組が現地でいろんなことをやっているのをテレビとかで見ると『俺の方がNYでやりたいことが明確にあるのに、何で行けなかったんだ』って。もう(NYに)行かないと気が済まない状態になっていましたね(笑い)」
イライラが募る中で見つけた米国行きのチャンス。これを見事に手にするが、その後に不測の事態が待ち受けていた。
「GJCに落ちてから『オーディションに受かれば、NYに行ける高校がある』というのを見つけて、高校はそこ一本と決めて受験しました。審査では留学したい気持ちを語った上で、その場で踊って『こういうことを現地で学びたい』と伝えたら受かっちゃったんです(笑い)。で、ホームステイ先や通う学校も決まり、あとは行くだけでした。その時です。『ボーカル・バトル・オーディション(VBA)5』の告知があったのが。これがダダかぶりなんですよ。米国に出発する日がオーディション1次審査日。『どうすんのこれ』って感じでした」
―「NY行き」は夢だったはずだが。
「そうです。でも出発の1週間前くらいに、お母さんが僕に本気で話してきました。『ここまで積み上げてきたモノを発揮する場がVBA5だと思う。NYにはこの先いくらでも行けるけど、このオーディションは今しかない』って。それを聞いて『合格してアーティストになれば、米国に行けるかもしれない』と自分を納得させて、泣く泣く留学をやめました」
VBA5は最終審査で落選したが、新ユニットのメンバーに抜てきされた。
「審査後に僕と(海沼)流星(25)が別室に呼ばれ、HIROさんから『新しいプロジェクトをやるから参加してほしい』と言われました。プロジェクトのメンバーは聞かされてなくて、年明けに東京でメンバーの顔合わせがあって、そこに(GJCで合格してNY留学した)未来と力也、(砂田)将宏(24)がいたんでビックリしました。彼らは彼らでデビューすると思っていたし、NY組の3人は固まっていたから『そこに俺の入る枠はない』って覚悟していましたから。NYでの彼らの映像をYouTubeで調べて『羨ましいな~』と思ってめっちゃ見ていたんで、同じグループになるなんて“まさか”でした。3人に追いついた感というよりは、諦めない気持ちが大事だなって。本気でやれば思いは叶(かな)うんだなって。顔合わせの時に初めてそう気づくことができました」
歯に衣(きぬ)着せずに自分の思いを口にできるのも、自分への厳しさがあってのもの。物事への執着心と継続力、ハングリー精神で未来を切り開いていくだろう。
◆松井 利樹(まつい・りき)2000年3月26日、福岡県出身。24歳。小学1年からダンスを始め、中学1年でEXPG福岡校に特待生として入所。GJCにエントリーするも最終審査で落選。17年、VBA5のラップ部門で最終審査で落選するが、その後BBZのメンバーに。19年にアルバム「BALLISTIK BOYZ」でメジャーデビュー。22年には配信ドラマ「覆面D」で俳優デビュー。趣味はプロレス観戦、ファッション。特技は中国語。身長173センチ、血液型A。
出演ダンス番組フジ系でスタート
利樹が出演するフジテレビ系「R4 STREET DANCE」(月曜・深夜0時55分)が18日にスタートした。ダンスに定評のある4人がリーダーとなり、プロダンサーをドラフトしてチームを結成し、ダンスバトルを通してNO1を決めるという番組だ。
「4人の1人に選ばれた時はうれしかったです。先日、収録で8年ぶりにバトルをやりました。自分の中では『あ~、何かこんな感じだった』って昔を思い出すと同時に、まだ衰えてないなっていうのを実感できました。そこからは味を占めちゃって、もう『やりたいやりたい』っていう気持ちになっちゃいました。シーズン1ではGENERATIONSの(中務)裕太さんが勝てなかったんで、LDH代表として負けるわけにはいかない。ドラフトで思い通りの人選ができて理想のチームになったんで、まあ負けないすね(笑い)」