今季限りで現役引退する浦和の元日本代表DF宇賀神友弥(36)がが26日、さいたま市内のクラブハウスで会見した。
15年間のプロ生活に終止符を打つ決断をした宇賀神は、今後について「このクラブのGMになることがまず最初の夢。Jリーグと言ったら浦和レッズ、アジアの代表と言ったら浦和レッズと言われなきゃいけない存在。そういうクラブにすることを見据えて浦和レッズのGMをやりたい」と決意を語った。
浦和は2006年以来、J1優勝から遠ざかっている。直近5年間で5度の監督交代に見舞われている。今季はノルウェー出身のヘグモ監督を招へいしたが、8月に解任され、スコルジャ監督が再就任。一時は4連敗で残留争いに巻き込まれ、現在リーグ10位につけている。
「優勝争いを継続してできるチームになるためには」という質問を受けた宇賀神は、「難しいな…。最後なんで、しゃべりましょうか」と切り出し、思いを語り始めた。
「クラブとして、やるサッカーの継続性がないのが正直なところだと思う。監督が代わるごとにサッカーが代わっていたら継続性はない。『浦和を背負う責任』という言葉があるけど、それだけではサッカーは勝てない。そこを構築していくのが、次に自分がやりたい1つの仕事。ミシャがいなくなってから、監督がコロコロ代わる中で長期政権が築けてないのはそういうところも1つだと思う。もちろんピッチに立つのは選手なので、選手が結果を残し続ければそんなことは関係ないという見方もあると思うけど、5年、10年先、常にトップに和レッズがいるよねというサッカーにはできない。そこのフットボールの本質の再構築が必要だと思う」
今の浦和レッズに必要なものとは―。クラブの現状、本質に迫る問いにも冷静に言葉をつむいだ。4連敗後に迎えた10月23日の柏戦前に行われた選手ミーティングでの発言として、自身の思いを明かした。
「1人1人が仲間を信じる力が足りない、それは断言できます。おのおのが全力で頑張ってるのは見ていて分かる。誰1人手を抜いているとかは日々の練習でもない。全員が頑張ってるけど、それが1つではない。人それそれできることの限界はある。プレースタイル、プレーの範囲、寄せるスピード、特長をもっと理解して、仲間信じて、『ここはおまえに任せたぞ』とできる選手が少なすぎると感じる。言葉で表すと簡単というか、役割分担すればいいんじゃないのと思うけど、ピッチでやるのは難しい。そこを1人1人が自覚することが足りない」
守備時のメンタルについても持論を語った。「極端だけど、失点したら全部、周ちゃん(GK西川周作)のせいなんだよ。周ちゃんが止めたら0―0だから。寄せきれないかもしれないけど、ここだけのコースを消してくれたら、あとは周ちゃん止めてよ、それくらいでいい。全部俺のせいでやられたではなく、周ちゃんならここまで消したら止めてくれると1人1人が理解るれば、これだけいい選手がたくさんいるので、監督がよく言うけど、ワンチームという言葉がぴったりなチームになれる」
レッズがJ1で優勝争いができる強豪クラブになるため―。宇賀神の思いは、浦和が代わるための1つのきっかけになるかもしれない。