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巨人の戸郷翔征投手(24)が26日、都内の球団事務所で契約更改に臨み、1億2000万円増の3億円でサイン。25歳シーズンでの大台到達は松井秀喜、岡本和真を上回り球団最年少となった。今季自身2度目の最多奪三振のタイトルを獲得した巨人の若きエースは、来季の目標を最多勝、沢村賞に定め、チームを日本一に導く覚悟を示した。
晴れやかな表情で戸郷は契約更改の会見場に現れた。「1・8億円から3億円で契約をさせていただきました。3年連続の2ケタ勝利もしましたし、僕の中ですごい節目の年だったので満足しています」。来季25歳シーズンでの3億円到達は26歳の2000年の松井秀喜(3億5000万円)、22年の岡本和真(3億円)を超え球団最年少。最高の評価をもらった右腕は今季を思い返しながら、少し胸を張った。
自身初の開幕投手としてスタートした24年。エース級が並ぶ金曜日の登板を任され、5月24日の阪神戦(甲子園)でノーヒットノーランを達成するなど26試合で12勝8敗、防御率1・95をマーク。リーグ優勝に貢献。156奪三振をマークしてタイトルを獲得した。会見後は「NPB AWARDS」にも出席。表彰を受け「すごくうれしかったですし、光栄に思います」と喜びながらも「(3勝届かなかった)最多勝だったり、沢村賞を取りたい。今年もその目標で頑張りましたけど届かなかったので、まだまだ精進していきたい」と、来年こそはタイトルを総なめにする。
宣戦布告にも堂々と受けて立つ。2歳上の山崎伊が契約更改の際に「開幕投手をやりたい」と宣言。挑戦状をたたきつけられ「伊織さんはいいライバル。僕も来年開幕が決定してるわけではないので、しっかり技術を高めていかないといけない。今年初めてやってあの感動というのは忘れられないですし、来年もやりたい」と応じた。
来季は菅野がメジャーに挑戦する。その穴を埋めなければいけない。「来年、『優勝するのは難しい』と言われると思うので、その言葉をはねのけるためには僕の成績も必須。伊織さんも今以上にやらないといけない覚悟でいると思う。菅野さんが1年で戻ってこなきゃ、と思われないようにやらないと」と、2人で切磋琢磨(せっさたくま)しながらチームを支える。
成長の余地も感じている。24日には侍ジャパンの一員として「プレミア12」決勝の台湾戦に先発し、4失点で負け投手になった。シーズンでも悔しさは残る。「リーグ優勝できてすごいうれしいものはありました。ただCSで悔しい負け方をして、必ず勝ち切らないといけないし、日本一だけを目指して。必死にまた一球一球、腕を振っていけたらなと思います」。球団最年少3億円プレーヤーの名に恥じない絶対的なエースへ上り詰める。(水上 智恵)