◆NPB AWARDS 2024 supported by リポビタンD
今季のプロ野球のタイトル獲得者などを表彰する「NPB AWARDS 2024 supported by リポビタンD」が26日、都内のホテルで行われ、セ・リーグの新人王は巨人・船迫大雅(ふなばさま・ひろまさ)投手(28)が球団史上最年長で受賞した。パ・リーグは西武・武内夏暉投手(23)が受賞した。
目標に掲げていた新人王に輝いた船迫は、壇上で少し緊張した面持ちで喜びをかみしめた。「素直にうれしいという気持ちと、投票してもらった方々へ感謝の気持ちです」。28歳での新人王は、57年藤田元司(投手=日本石油)、10年長野久義(外野手=ホンダ)の26歳を超える球団最年長。2位の黒原(広島)に149票差をつける受賞に「28歳で周りの人はどう思うか分からないですけど、この年で結果で示せたのは大きいかなと思います」と苦労の日々を思い返した。
フル回転のシーズンだった。1年目の昨季は36試合で30イニング。ギリギリで新人王の資格を残していた。今季は全試合ベンチ入りで51試合に登板して4勝0敗、22ホールド、防御率2・37。プルペンを支え、リーグ優勝に大きく貢献した。
「終盤の防御率がぐんと上がっているので、いいシーズンとは正直あんまり思ってない」と満足はしなかったが「50登板以上を目標に掲げて入った中で、全試合ベンチ入りすることができたのは自分でもよく頑張ったと思います。この賞を取れたことを一つの自信にして頑張りたい」と少しだけたたえた。
負けん気の強さで、ここまで走ってきた。「自分の父親はくせものなので、エースにならないと絶対に応援に来てくれなかった」と中学時代を振り返る。今季、地元・宮城で交流戦があった際にはうれしそうに息子の登板を見守る父の姿があった。「一番は両親にこの喜びを伝えたいです」。父譲りの負けん気の強さで修羅場をくぐり抜け、手にした新人王。支えてくれた両親へ、吉報を届けた。
会見を終え「しゃべるのが得意じゃないので緊張しました」と頭をかいたが、「満足せずに、タイトルを狙っていきたいと思います」と強く誓った。また、この表彰の舞台に帰ってこられるように、来季はさらに強くなる。(水上 智恵)
◆記録メモ
▼…船迫(巨)が新人王。今季は2年目で28歳シーズン。新人王の最年長は1950年大島信雄(松竹)の29歳。28歳シーズンは、79年藤沢公也(中)、85年熊野輝光(阪急)、04年三瀬幸司(ダイエー)。28歳以上のシーズンでは5人目。2番目の年長新人王だ。過去4人は新人のシーズンで受賞。2年目以降の受賞では最年長。
▼…巨人の新人王は、22年大勢以来21人目。最年長は、57年藤田元司、10年長野久義の26歳。船迫の28歳は球団最年長だ。