ラグビー日本代表が26日、欧州遠征から羽田空港に帰国した。年内のテストマッチを終え、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が会見。4勝7敗で終えた今季を振り返り「結果に対しては、悔しい気持ち。残念に思っている」と、フランスやイングランドなど強豪国から白星を挙げられなかった初年度について語った。
世代交代を図り、若手を起用する中で課題に挙がったポジションの一つがSOとFB。指揮官は「現在、日本には我々のチームに合うような10番がいないことが現実」と、悲壮感をにじませた。6月のイングランド戦(17●52)から松田力也(トヨタ)、李承信(神戸)、立川理道(東京ベイ)、松永拓朗(BL東京)、N・マクカラン(トヨタ)を10番で起用してきたが、「李が一番手。その下の選手がいない状態」。欧州遠征では、李がケガで帯同出来ず、主将としてチームを率いていた立川もケガで途中離脱。SOが本職ではない松永、マクカランが先発を担った。
「超速ラグビー」を掲げる中、司令塔を担うSOの育成は必須。ジョーンズ氏は「10番、スタンドは育てないといけないと思っている。大学の選手もみていきたいと思っている。若い選手を育てていくことが大事だと思っているが、来年度のシーズンには10番として有望な選手3人をそろえられたら」とコメントした。欧州遠征には24歳の中楠一期や23歳の伊藤耕太郎(共にBR東京)が招集されたが、出場機会には恵まれなかった。23年W杯で正司令塔だった松田を始め、高本幹也(東京SG)や早大1年の服部亮太など若手の成長に期待がかかる。