NHK大阪放送局は27日、制作を担当する来秋スタートの連続テレビ小説「ばけばけ」で、「怪談」で知られる作家ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がモデルのヘブン役を、同局1階で“公開お披露目”した。1767人のオーディションを勝ち抜いた英俳優でミュージシャンのトミー・バストウに決定した。
「初めての着物。自分で選びました」という緑の着物に身を包んで登壇したトミーは英国出身の33歳。ロックバンド「Franko」のリードボーカルで、映画・ドラマでも活躍。エミー賞を総なめにしたドラマ「SHOGUN/将軍」ではポルトガルの司祭役で出演し、制作真田広之との共演場面もある。同作に出演していた穂志もえかから朝ドラオーディションの話を聞き、ZOOM審査などを経て大役を勝ち取った。制作統括の橋爪国臣氏は「オーラ、フィット感を感じました。満場一致。人をほれさせる力がある。ナイスガイ」と絶賛した。
黒澤明監督の映画で日本に憧れ、10年間独学で日本語を勉強。「好きな言葉は…最近勉強した『臨機応変』」と流ちょうな日本語で四字熟語を披露して、会場の笑いを誘った。
長身185センチながらタイの国技の格闘技ムエタイ(キックボクシング)にも励んでおり、合格通知は今年10月ごろ、タイで知ったという。
日本でも半年ほど千葉や東京でホームステイしており「日本が大好き。繊細なところも。日本文化をもっと深く知りたい」。滞在先では朝食を食べながら家族と朝ドラ「ちむどんどん」「ブギウギ」を見ていたという。好きな和食は「ラーメン。博多ラーメンは無敵です。大阪は金龍ラーメン? 食べたい」と目を輝かせた。
ヘブンの妻・松野トキを演じるヒロイン・高石あかりも同席した。公開お披露目の1時間前に夫役のトミーと初対面したが、事前に情報チェック。「優しそうで、お茶目な印象。英語も教えてもらいたいし、コミュニケーションをいっぱい取って楽しく撮影したい。隣で支えたいと思うようなステキな方」と自身初の夫婦役を楽しみにしていた。来春クランクイン予定。