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大阪市の関西将棋会館が43年の歴史に幕の対局ラストデー…谷川浩司十七世名人1400勝達成ならず「勝負はそんなに甘くない」

スポーツ報知 2024年11月28日 13時19分

 大阪市福島区の関西将棋会館が28日、対局のラストデーを迎えた。同会館は1981年に建てられたが老朽化したため、日本将棋連盟創立100周年のタイミングもあり、大阪府高槻市に移転。43年の歴史に幕を閉じ、新会館は12月3日にオープンする。

 関西所属で、同館でも数々の名勝負を繰り広げた谷川浩司十七世名人は、朝日杯将棋オープン戦二次予選で服部慎一郎六段と「御上段の間」で後手番で対戦したが、81手で敗れた。この日の予選で2連勝すれば通算1400勝目だったが、メモリアル達成は先送りとなった。

 終局後、取材に応じた谷川は、最終日の対局に「日程は分からなかったので、何かの巡り合わせかなと思います。データベースで調べたら、ここで1100局ぐらい対局して勝ち星は700ちょっとで半分以上」と感慨深げだったが「藤井(聡太)七冠を追う若手」と高く評価する服部戦の敗北には「今年に入ってからなかなか勝ち星が挙がらず、月に1勝するのがやっと。本当は節目の勝利をと、ちらっと考えないではなかったが、勝負はそんなに甘くないということですね」と語った。

 旧会館での対局の思い出に谷川は、1995年1月17日の阪神・淡路大震災の3日後に指したA級戦を挙げ「あの時の上段の間の景色を見て、大阪と神戸でこんなに違うのかという思いと同時に、将棋を指せる喜びも感じました」と振り返り「これから福島に来ることはあるのかな?」と報道陣を笑わせた。

 この日、旧会館の歴史を締める対局となるのは、持ち時間各6時間と長丁場の順位戦B級1組の2局で、山崎隆之八段対大橋貴洸七段、糸谷哲郎八段対石井健太郎七段の、いずれか遅く終局した方になる見込みだ。

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