俳優の横浜流星が29日、都内で主演映画「正体」(藤井道人監督)の公開初日舞台あいさつに共演の吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、山田孝之らと登壇した。
横浜が殺人の罪で死刑判決を受けるも護送中に脱走して潜伏しながら逃走する主人公・鏑木を演じるサスペンス。26日に発表された第49回報知映画賞で作品賞、主演男優賞(横浜)、助演女優賞(吉岡)の3冠に輝いた。舞台あいさつの冒頭で司会者から受賞についてアナウンスされると、場内は祝福の拍手に包まれ、横浜は「何より作品賞がうれしいです。みなさんのおかげなので、感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びを語った。
逃走中の鏑木に出会い、無実を信じる出版社の編集者を演じた吉岡は助演女優賞に選ばれ「正直、私は監督に連れて来てもらったという気持ちです。一生懸命に仕事をしても、良さを分かってくれる監督に出会えないと花は開かないので。作品と出会えて、監督と出会えて、私は幸せ者だな」。藤井監督も「作品賞は狙って取れるものではない」と喜び、「もっといいものを作らないといけない」と気を引き締めた。
企画から4年を経て公開を迎えた。藤井監督は「企画段階から流星がいてくれて、走り切れたことが奇跡」と横浜に感謝。横浜も「紆余(うよ)曲折あったけど、無事に完成して、届けられるのが幸せ。集大成になった」と感慨深げに語った。
また、撮影中のエピソードとして、吉岡が「流星さんは適応能力とか感性とか万能で、いろんなことができてすごい。でも、ギョーザを作るのは、めちゃ下手でした。すごく手こずっていたのが、かわいくて、人間なんだなと思いました」と意外な一面を明かした。