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金谷拓実、4位急浮上「開き直ってプレーできた」ゲン担ぎ仕切り直しの焼き肉定食で首位に“肉薄”

スポーツ報知 2024年11月30日 5時0分

◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第2日(29日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70)

 首位と6打差の17位から出た賞金ランク2位の金谷拓実(26)=Yogibo=が、通算4アンダーで5打差の4位に急浮上した。ショット、パットがかみ合い、6バーディー、1ボギーと、この日の最少65をマーク。6人がひしめく賞金王争いと、1差2位で初制覇を逃した昨年大会の雪辱に向け、上位に割り込んだ。数々の験担ぎで週末の決戦に臨む。66で回った昨季賞金王の中島啓太(24)=フリー=と65をマークした片岡尚之(26)=CS technologies=が通算9アンダーで首位に並んだ。

 金谷が猛チャージだ。この日、最も難度が高かった9番パー4。残り180ヤードの第2打で9アイアンを振り抜いた。自身の「ゴー!」のかけ声に応えるように、ボールはピン右奥2・5メートルに。バーディーパットを沈めて前半で4つ伸ばした。「アイアンショットの感触が良くなった。本当にいいプレーができた」と充実した表情を見せた。

 パッティングでもスコアをつくった。3番で15メートルを沈めて最初のバーディー。4番では6メートルを残したが、ねじ込みパーをセーブした。5番でも15メートルのバーディーパットを沈めた。賞金王を争う平田と今平の上位3人で回った初日は重苦しい雰囲気の中、71と出遅れた。初日の悪い空気を引きずらず「開き直ってプレーできた」と振り返った。

 験担ぎの多さは有名だ。特に食事面では「いいスコアが出たら、ずっと同じメニューを食べ続ける」のが金谷の流儀。昨年大会は開幕前夜にホテル近くの定食屋さんで唐揚げを食べ、1打差2位発進。以降、最終日前夜まで毎日、同じメニューを食べ続け、自己最高の2位に入った。今年も27日に同じ店を訪れた。しかし、まさか。唐揚げがなくなっていた。代役のとんかつは空振り。第2日の仕切り直しに、28日の夜は焼き肉定食にトライ。結果は首位に肉薄した。味をしめて「いいプレーができればいいかな」とニヤケ顔になった。

 日本シリーズは20年5位、21年3位、23年2位と相性は良い。「グリーンもきれいだし、最終戦だから特に頑張ろうと思う」。幼少期からテレビで見ていたあこがれの舞台。普段は表情をあまり崩さない金谷も「テンションが上がる」と笑顔になった。もちろん、狙うは初の賞金王、そして大会初制覇のダブルタイトルだ。戴冠なら広島出身選手では初の快挙。「アグレッシブなプレーを続けてスコアを伸ばしたい」と金谷。肉食系の攻めの姿勢で頂点を狙う。(富張 萌黄)

 ◆金谷の主な験担ぎ

〈1〉起床時間はスタート時間の4時間10分前

〈2〉練習開始は90分前

〈3〉シャワーを浴びる際は、同じ数曲の音楽を常に同じ順番でかける

〈4〉大会4日間で初日の木曜日に好成績の場合、前夜食べたものを大会期間中に食べ続ける

〈5〉曜日ごとに好成績だった時と同じ色のウェアを着用

〈6〉朝食時のレストランは同じテーブルに座る

 ◆金谷にかかる主な記録 ▽年少4番目のメジャー2冠 26歳6か月の金谷が今大会を制すと、23年BMW日本ツアー選手権森ビル杯に続くメジャー制覇。1973年のツアー制施行後では、27歳8か月の尾崎将司(74年日本プロ、日本オープン)を上回る歴代4位の年少記録となる。

 ▽広島県出身者初の賞金王 73年のツアー制施行後では81&85年の倉本昌弘(通算30勝)、06&16年谷原秀人(通算19勝)、20―21年の金谷の賞金ランク2位が最高だった。今大会で賞金王初戴冠となれば、ツアーでは日本人5番目の年少記録となる。

 ◆金谷 拓実(かなや・たくみ)1998年5月23日、広島・呉市生まれ。26歳。5歳でゴルフを始め、広島国際学院高2年の日本アマ選手権で17歳51日の大会最年少V。東北福祉大で2018年アジア・パシフィックアマ選手権優勝。19年の三井住友VISA太平洋マスターズでツアー4人目のアマVを達成。20年にプロ転向し、同年11月のダンロップフェニックスでプロ初V。通算7勝。172センチ、75キロ。家族は両親と兄。

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