KinKi Kidsの堂本光一(45)が29日、東京・帝国劇場で主演ミュージカル「Endless SHOCK」の大千秋楽を迎えた。2000年11月の初演から25年目。国内演劇における単独主演記録を更新する2128回目の上演で、記録にも記憶にも残る伝説の舞台がフィナーレを迎えた。
カーテンコール後も鳴りやまない拍手に、光一が再びステージに登壇した。「思い残すことはありません。やり切りました」。ふぉ~ゆ~や上田竜也(41)らキャストが集まり、7回胴上げ。「先ほど、心技体はそろっていると言いましたけど、いろいろな所がボロボロで」と吐露し、「これだけ愛されるような作品になるとは想像もしてなくて。それだけの作品に成長させてくださったこと、心から感謝申し上げたいです」と深々と頭を下げた。
2000年11月。帝劇最年少座長として開幕。05年から自ら脚本・演出も務め、フライングや階段落ちなどエンタメを詰め込み、自身の代名詞になった。今年1月の製作発表会見で終幕を宣言したラストSHOCKは、まさに記録尽くめ。4月に2000回、5月には、森光子さん(享年92)が「放浪記」(2017回)で持つ国内演劇における単独主演記録を更新した。そして、迎えた2128回目の公演。「何回? 確か2182だったような気がするんですけど。あ、逆だったみたいです。2128回。訳が分からない数字です」と笑いを誘いつつ「毎年この景色を見させていただいて。心から感謝です」と言った。
来年2月に建て替えのため、帝劇が一時休館することから閉幕を決断。「心技体がボロボロ」「やり切った」と語ったが、思いは消えない。「まだまだSHOCKでやれることがあると思うんですよね。ただ帝劇がなくなる。どうしたらいいよ、これ。野外? 自分がコウイチ役を演じることはないかもしれないですけど、もちろん誰かに受け継いでもらったら」「SHOCK専用劇場でも作ってやればいいかなって。誰か融資してくれる?」
ステージ上でセットの撤収作業が行われる中、最後に行われた取材会。「撤収って早いんですよ。みんな早く(12月20日開幕の)『レ・ミゼラブル』にしたいんですよ」と再びジョークを交えつつ「『永遠』であってほしいです。思い続けられる作品になれば、SHOCKは生き続けると思う」。2000年11月2日の初演から8793日。光一のSHOCKは「永遠」に、そして伝説になった。(田中 雄己)
◆光一に聞く
―印象に残るシーン。
「あり過ぎちゃって。全てを経験させていただいたと思っている。まだ45歳ですけど。あってはならない事故も天災も、コロナ禍もあって、その都度エンタメを届けるにはどうしたらいいかとやってきた。あと自分の体調などで、一度もストップさせなかった。やれたことが幸せ」
―泣いたようにも見えた。
「いえ、全然。泣いてないです。それよりもやり切ったのと、背負ったものを下ろせるかなと思ったんですけど、余計に重たいものが降りかかったような気もします。舞台に立つことをやめるわけでもないし、いつも通り活動していく」
―25年間での変化。
「パフォーマンスに関しては、21歳の方が爆発力とかあったかもしれないけど、心技体は、今の方が自信あります」
―今後の構想は?
「新しい舞台、SHOCKのようなものは、まだない」
―SHOCKの後継者。
「現れないですかね。自分の夢でもあります。自分が積み上げてきたものを表(外)から見るというのは。あと記録は、破られるためにあるものですから。破ってほしい」
階段落ち合計はエベレスト超え 〇…1幕のクライマックスで行われる名場面の一つである「階段落ち」。02年6月公演から始まり、1公演辺り22段、高さ4.84メートルの階段から落下する。これまで通算1923回実施され、階段4万2306段、高さ9307メートルから落下。世界最高峰のエベレストの8848メートルを超える“大記録”となった。