日本バスケットボール協会(JBA)は29日、三屋裕子会長の名前で声明を発表。NBAレイカーズの八村塁がJBAに苦言を呈したことを受けて、「バスケットボールファン、関係者の皆様へ」と題し、「この度は、男子日本代表チームをめぐる一連の動きについて大変なご心配をおかけしております」と謝罪。「引き続きホーバスHCと日本代表チームを全力でサポートして参ります」など改めて現体制で2028年ロス五輪を目指していく方針を強調した。
八村は13日の試合後、日本バスケットボール協会(JBA)や日本代表の在り方などに私見を語り、疑問を呈した。その後、JBAと代理人がオンラインでコミュニケーションをとり、20日にJBAの渡辺信治事務総長が取材対応。八村が不満を持った一例として、7月の強化試合の欠場が事前に決まっていたにもかかわらず、JBAの発表が試合直前だったことを挙げ、「商業目的のために引っ張った意図はなかったが、ミスコミュニケーションがあった」などと説明した。
八村は改めて「プレーヤーファースト(選手第一)の精神が見られない」などとJBAを批判。また、再任が決まった男子代表のトム・ホーバス監督については「練習のやり方、ミーティングも世界レベルではないんじゃないかと思う」と考えを語った。「本当に日本のバスケのためを思って言っている」とし、苦言を呈した。
28日にはNBAで6季プレーし、五輪2大会に出場した渡辺雄太(千葉J)が公の場でコメントし、「悪者は一人もいない。僕もJBAやトム、塁とコミュニケーションを取って、日本代表を良くしていくためにやっていく。可能ならこの話はいったんここで決着に」などと語っていた。
▽以下、全文
バスケットボールファン、関係者の皆様へ
この度は、男子日本代表チームをめぐる一連の動きについて大変なご心配をおかけしております。
今回の一連の出来事を受け、当協会といたしましては、今一度、組織内外におけるコミュニケーション、情報発信、連携の在り方について見直しと改善を進めてまいります。
ホーバスHCには、HCを選定する過程でパリオリンピックまでの経緯も考慮したうえで、掲げる強化方針にコミットでき、その方針に最も適していると判断し、ロサンゼルスオリンピック出場に向け契約をオファーし、受諾いただきました。
当協会としましては引き続きホーバスHCと日本代表チームを全力でサポートして参ります。
そして、HC、選手、チームがバスケットボールに集中できる環境を提供し、出場権を獲得したアジアカップを戦い、FIBAワールドカップ予選を突破しオリンピックへの道を切り開けるよう、環境を整えていくことが責務だと改めて強く感じております。
日本代表AKATSUKI JAPANへの引き続きのご支援、ご声援をよろしくお願いいたします。
日本バスケットボール協会会長 三屋裕子